リオ州地裁は6月30日、ボルソナロ大統領次男でリオ市議のカルロス・ボルソナロ氏に対し、裁判特権(フォロ・プレビレジアード)を認めなかった。兄フラヴィオ氏同様、ラシャジーニャ疑惑を持たれている。1日付現地サイトなどが報じている。
ラシャジーニャとは、幽霊職員を雇って給与をキックバックさせ、資金洗浄して着服する犯罪だ。大統領長男のフラヴィオ上議は、リオ州議時代にこの疑惑があり、幽霊職員から多額の振込を受けていたとして先月18日に、大統領の長年の親友のミリシア(私兵)のファブリシオ・ケイロス容疑者が逮捕されたばかり。
カルロス氏にも、ボルソナロ大統領の二番目の妻アナ・クリスチーナ・ヴァレ氏と、彼女の7人の親戚を雇っていた疑いが持たれている。この件に関してカルロス氏は、リオ検察局から2件の捜査対象となっている。
今回のリオ地裁の決定は、6月13~19日にかけて最高裁の第1小法廷で行われた審理の結果に基づいている。それは、「リオ州の州議と市議は第1審の裁判では裁かれない」というリオ州法は適用されないという見解が、最高裁5人の判事全員の間で一致していた。
兄フラヴィオ氏の場合は、リオ州地裁の判事投票2対1でフォロが認められ裁判は2審からということになった。だが、カルロス氏の場合はそれが認められず、1審からの裁判ということになった。
カルロス氏の件のみならず、さらに20件のリオ市議の抱える裁判が第1審からはじまることになった。
リオ検察局は今回の決定を尊重し、最高裁が決定を出すまでは第2審からはじまると仮定されていた160件以上の裁判案件がすぐに1審に回されるべきだとの見解を声明で示している。
フラヴィオ氏の2審からとなった件に関しても、リオ検察局は最高裁に上告を行なっているため、ジウマール・メンデス判事が最終判断を行うこととなる。