ニッケイ新聞 2014年1月25日
麗澤大学名誉教授で、ブラジル移民関連の著作のある丸山康則さんが今月2日、胃がんで亡くなっていたことが分かった。享年85。
1928年、長野県生まれ。京都大学卒業後、日本国有鉄道労働科学研究所次長、横浜国際大学経営学部教授、日本交通心理士会会長などを歴任した。
教え子の日系人に招かれ、ブラジルを訪れたことから日系社会に関心を持ち、取材・執筆を行なった。「ブラジル百年に見る日本人の力」(08年)「ジャポネース・ガランチード」(10年)、「ブラジルに流れる『日本人の心の大河』」(12年)があり、4冊目も準備中だった。
昨年10月15日にブラジルから帰国後間もなく体調を崩していた。在伯の知人へ訃報を届けた、妻のきよみさんによるメールには「検査の結果、胃がんであることが分かり、なす術がなかった」と記されている。
逝去の数日前には「多くのいい人に出会って支えられ、教えられ、いい人生だった。皆さんに感謝とお礼を伝えて欲しい」という言葉を残し、穏やかに息を引き取ったという。
サンタカタリーナ州ラーモス移住地の50周年記念誌にも協力しており、ラーモス日伯文化協会の本多泉美会長によれば、桜公園、平和の鐘公園の項目を担当していたという。