選挙高裁(TSE)のルイス・ロベルト・バローゾ長官は、予想される投票会場での混雑を避けることを理由に、11月の地方統一選の際に、有権者が本人確認のために行う指紋照合を中止することに決めたと、15日付フォーリャ紙などが報じている。
バローゾ長官が今年の選挙で指紋照合を行わない方針に決めたのは、投票会場に長い行列ができることが予想されるからだ。不正投票をなくすために指紋の本人照合は実施されてきたが、今回は新型コロナウイルス対策上、行列ができて人が密集するのを避けるべく中止にした。
今回の選挙は、コロナウイルスの強い影響を受けている。投票日そのものも、通常なら10月の第1週の日曜日に一次投票、同月第4日曜日が決選投票となっていたところを、今年に限っては一次が11月15日、決選投票が11月29日に延期されている。指紋照合の中止は、それに次ぐコロナ禍での予定変更となる。
バローゾ長官は指紋照合の中止に関して、シリオ・リバネス病院のダヴィド・ウイップ医師、アルベルト・アインシュタイン病院のルイス・フェルナンド・アラーニャ・カマルゴ医師、Fiocruzのマリリア・サンチーニ医師らと話しあい、「指紋照合を行わない場合、70%まで投票時間を短縮することが可能」としたことから、今回の決定に至ったという。
この件はまだ、現在、閉廷中のTSEが8月に再開した際に判事投票の末に正式決定が行われるが、他の判事もすでにこの線で考えているという。
指紋照合を行わないとなった場合、代わりに、以前使っていた投票者の有権者登録証を持参することになる。また、有権者は投票所に自分用のボールペンを持っていく必要もあるという。