下院は21日、基礎教育開発基金(Fundeb)を継続するための憲法改正法案(PEC)の審議を行い、圧倒的な多数で可決した。これは2026年以降に連邦政府の支出割合を26%に上げることも含んでおり、連邦政府は別の形を希望していたが大敗を喫した。22日付伯字紙が報じている。
2007年のルーラ政権の時代に「全国の人たちに教育を受ける権利を平等にする」目的で党派を超えて作られたFundeb。今年末までの時限立法だったので、放っておけば自然消滅する流れにあった。継続させるための憲法改正法案(PEC)が昨年から連邦議会で審議されてきたが、歴代の教育大臣は参加せず、審議が先延ばしにされていた。
連邦政府が反対していたのは、現状10%の出資という割当を議会側が引き上げようとしていたからだ。下院での報告官のドリーニャ・セアブラ下議(民主党・DEM)は当初政府出資の割当を40%まで上げようとしたが、政府の反対を受けて、20%に妥協していた。だが、政府は「20%を呑む」とする代わりに、Fundebへの出資金を、政府の経済スタッフが「ボウサ・ファミリア」を発展的に解消した社会福祉プログラム「レンダ・ブラジル」にも使えるようにする代案を先週末、突然提案し、これにより下院投票が21日にまで延ばされていた。
だが、下院内で強い勢力をほこる中道勢力「セントロン」に、連邦政府が票集めの調整を頼もうとしたところ、逆に強い反発が起こり勢いが削がれた。
その結局、連邦政府の出資の割合を「21年12%、22年15%、23年17%、24年19%、25年21%、26年以降は23%」とむしろ増額する形でPECが提出された。
21日に行われた下院投票では、308票で承認可能なところに499票という圧倒的な票数が集まった。反対はわずかに7票。熱心なボルソナロ派として知られるビア・キシス下議など社会自由党(PSL)の下議が6人を占めていた。さらに2回めの投票でも492決6となり、下院承認を終え、上院に回された。
審議の際、ドリーニャ下議はFundebの目的である「すべての人に平等な教育の権利」を改めて主張した。そしてロドリゴ・マイア下院議長(DEM)も「今回の承認は画期的なものだ」とたたえ、「Fundebの資金が全国の州、市にいきわたることを願う」と語った。
今回のPECでは、連邦政府の出資割当のみならず、「70%(現状60%)を教師の給与に割り当てる」ことや、「15%を教育のための投資として使用する」ことなどが織り込まれている。また連邦政府が23%を出資となって以降は、そのうちの10%ポイント分が最も貧しい数州に、10・5%Pが州や市の公立学校に、2・5%Pが教育不公正を減らすための資金に使われることも定められている。
ボルソナロ大統領は22日朝、フェイスブックを通じて、同PECの下院承認を讃えた。上院審議でも修正が加わる雰囲気はないと報道されている。