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《ブラジル最高裁》元判事・検察官に出馬制限?=「空白期間8年」法制化求める

ジアス・トフォリ最高裁長官(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 ジアス・トフォリ最高裁長官は29日、「裁判官や検察官は辞職後8年、選挙に出馬できない」という考えを表明し、連邦議会で法制化することを願った。30日付現地紙が報じている。
 トフォリ長官のこの発言は、全国司法委員会(CNJ)の会議に出席した際に出たもの。同長官によると、元判事、元検察官が出馬までにこれだけの空白期間を置く必要があるのは、司法の職務を行う際に、個人の政治的志向に基づいた判断を避けさせるためだとしている。
 この件は、マラニョン州のある判事が、ある政党のライブ討論会に、自身の職務の立場上、参加を禁じられたことに端を発してのものだった。「三権分立は守らなければならない。それは現在もそうであり、未来もそうだ」と長官は主張した。
 同長官はさらに、この法案を連邦議会で審議して、法律として定めることまで要求した。現状では元判事や元検察官は、司法の職務を辞職後、半年の差し止め期間がすぎると出馬して良いことになっている。

 このトフォリ提案を受け、ロドリゴ・マイア下院議長は「出馬禁止期間に関しては審議の必要がある」としながらも、「三権のいずれかに携わる人間が、職務を簡単に取り替えられる状況には対処しなければならない」との考えを表明し、法案審議に前向きなことを示唆した。
 この件で具体的な問題になるのは、セルジオ・モロ前法相だ。もし、この法案がモロ氏にも適用されれば、2018年に連邦控訴裁判事を辞職しているので、8年の期間は経っておらず、22年大統領選には出馬できないことになる。また、モロ氏自身もラヴァ・ジャット作戦担当判事だった頃に「政治的判断か」としばしば指摘されていた経緯もある。