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《ブラジル》コロナ禍で食生活が悪化=「金がなくて食事を抜いた」=青少年がいる家庭ほど深刻

困窮家庭に食料品を配布する土地なし農民運動の人々(リオ・グランデ・ド・スル州にて、MST/RS)

 新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が縮小し、収入が減少した事などを反映し、食生活が悪化した家庭が増えているとの調査結果が報告されたと26日付現地紙などが報じた。
 国連児童基金(ユニセフ)がブラジル世論調査・統計機関(Ibope)を通して行った調査によると、新型コロナ流行に伴う外出自粛令発令後に食生活が変化したという家庭は全体の49%で、青少年がいる家庭では59%に上る。
 クアレンテーナ(外出自粛)の期間中、即席めんやクリーム入りのビスケット、缶詰などの加工食品の消費が増えた家庭は23%、炭酸飲料や糖分の多い飲料の消費が増えた家庭は17%、ファーストフードを利用する機会が増えた家庭は16%あった。
 いずれの場合も、青少年がいる家庭はその割合が高く、加工食品の利用増は31%、炭酸飲料や糖分入り飲料の消費増は20%、ファーストフードの利用増は19%となっている。
 こちらは、食習慣の変化による食生活の悪化だが、ユニセフでは食料確保が困難なために起きる悪化も懸念している。
 6~7月に1516世帯を対象に行った電話調査によると、「お金がなくて食料が買えない事があった」という家庭は21%あり、「お金がなくて、食事を抜いた事がある」家庭も6%あった。青少年がいる家庭ではこの割合が27%と8%に達したが、青少年がいない家庭では17%と4%だった。

 リオ市在住のモニカ・ダ・シウヴァ氏(50)は、チーズや果物などを常備していたが、パンデミック後は冷蔵庫が空になる事態が起きた。市立校で毎日、給食を食べていた10歳の末っ子(息子)は、大好きなバナナが食べられなくなったという。
 夫が左官助手で収入不安定な上、自分は失業中というシセラ・ダ・シウヴァ氏(30)も、6歳の息子を抱え、食に窮している。彼らにとっては、政府からの緊急援助金が頼りの綱だ。
 ユニセフによると、子供がいる家庭の63%はパンデミック後に所得が減っており、37%は所得が半分以上減少した。内21%は、パンデミック前は職に就き収入を得ていたが、時短・減給や一時帰休で収入が減った。公共交通機関が止まったり、コロナに感染して働けなくなったという人もいた。
 食料配布の恩恵を受けた事がある家庭は、政府からが4%、他の機関からが3%、宗教団体からが2%、非政府団体からが1%となっているが、1度も恩恵に与っていない家庭も92%あった。ユニセフでは、福祉関連のプログラムの見直しも訴えていく意向だ。