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《ブラジル》ホームオフィスでも経済格差=実行者の大半は南東部在住

 新型コロナウイルスの感染爆発中、在宅勤務(ホームオフィス)が可能か否かが、経済格差を示す新たな指針となっていることがわかったと8月31日付フォーリャ紙が報じている。
 ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、国内の就業者8140万人の内、在宅勤務を行っている人は840万人だという。
 そのうち、半分以上にあたる490万人はブラジル南東部在住者だという。この数は南東部全体の労働者の13%に相当する。
 それに続いて在宅勤務を行っている人の割合が高いのは、南部と中西部で、それぞれ9%ずつ。人数にすると南部が120万人、中西部が65万人にあたる。
 北東部は7・8%で140万人。最も低い北部は4%のみで、ホームオフィス人口そのものも25万人ときわめて少ない。
 職種別に見ると、「科学・知的産業」に従事している人の間では50%が在宅勤務で、圧倒的に割合が高い。続いて多いのが「管理職」の10・6%で、「中級以上の技術職」の9%や「役員」の8%が続く。
 その一方で、国内の全労働者のうちで最多の16・6%を占める「商人」などのサービス業では5・4%しかホームオフィスを行っていない。就業者全体の12・5%を占める「専門職」では、在宅勤務者はわずか1・2%だ。

 在宅勤務者840万人のうち約4分の3にあたる610万人は、大卒またはそれ以上の学歴の人で、200万人は高卒か大学中退の人だ。中卒か高校中退の人は14万人で、中卒以下の学歴の人は6万人ほどしかいない。
 国内労働者の内、正規雇用者は63・1%だが、在宅勤務者に占める正規雇用者の割合は84・1%に上ることもわかったという。
 IBGEのデータを解析したリオ連邦大学のジョアン・ルイス・サボイア教授は、「ホームオフィスは全ての人向けの業務形態ではなく、特定の部門や業種にのみ適した業務形態といえる」と語っている。