パラナ州都クリチーバ市のアグァ・ヴェルデ地区にある日本広場内に建つ「文化の家」にLEDによる景観照明が7月下旬頃から設置され、8月8日にラファエル・グレカ市長へ引き渡された。
景観照明は市の公共事業によって設置されており、グレカ市長は「文化や、農業、科学、産業、商業により多民族形成に非常に重要な貢献をしてきた日系人への感謝の気持ちです」と経緯を述べている。
式典には高木昌弘(たかぎ・まさひろ)在クリチーバ総領事、若枝一憲(わかえだ・かずう)首席領事が出席、現在桜の歌として親しまれる「さくらさくら」の原曲「咲いた桜」が流れ、式典に彩を添えた。
新たに設置された照明は、日本の伝統的な建築様式をより見やすくするために、屋根と正面を計59灯のLED照明が照らす。色を変えることができ、照らす色によっては建物の雰囲気がガラリと変わる。
また、日本式の門にも照明2灯が設置され、暗くなってからも訪れる人を出迎える。日本広場はツツジや桜などで有名だが、LED照明により一年を通して桜やツツジを思い起こさせる演出ができ、コロナ禍後の夜の観光名所としての活躍が期待される。
日本広場の象徴ともいえる「文化の家」は93年に建設された。2008年には半田ヒデオ図書館が開設され日本文化や仏教、禅に関する書籍を所蔵しており、東洋文化の普及活動も行われている。
日本広場には、日系芸術家のモニュメントが二つが展示されている。一つは間部学さん(熊本県出身)の作品で、1997年の天皇皇后両陛下(当時)クリチーバ市訪問を記念して制作されたもの。
もう1点は2018年のブラジル日本移民110周年を記念して設置された、大竹富江さん(京都府出身)のモニュメント。建築家オスカー・マイヤーと共に文化勲章を受けた、ブラジル芸術界を代表する一人だ。