ロシア政府が新型コロナウイルスのワクチンとして承認宣言し、パラナ州が治験に興味を示している「スプートニクV」が、治験の第1、第2段階で好結果を得ていたことが明らかになったと、4日付現地サイトが報じている。
医療界では世界的権威のイギリス雑誌「ザ・ランセット」が4日に報じた。この報告に対し、エミリオ・リバス病院のロザーナ・リフトマン医師は「結果はかなり良いと思うが、ロシア政府がワクチン承認を宣言する前にこうした情報が発表されるべきだった」と語った。
微生物学者のナタリア・パステルナク氏は、「いろいろと興味深い内容が報告されているが、治験の第1段階はテスト例が少なく、その大半が若い男性だった。第3段階はもっと異なった層の人も対象にし、より多くの人に接種して、安全性や有効性を確認する必要がある」としている。
オズワルド・クルス財団(Fiocruz)の感染学者ジュリオ・クロダ氏は、現在ブラジル内でもサンパウロ市などで第3段階の治験中のイギリスのオックスフォード大学が開発したワクチンと比べると、「スプートニクVの治験例は非常に少ないが、報告によると、副作用がほとんどなく安全で、やや小さいが抗体もできている」と今回の研究発表を肯定的にとらえている。
スプートニクVに関しては、かねてからパラナ州政府が高い関心を示しており、関係者たちは「10月から治験を行いたい」と考えているという。
予防接種ワクチンの開発には、3段階の治験が必要で、第1段階は数十人、第2段階は数百人、第3段階は数千人での治験が求められる。現時点で最も治験が進んでいるのは、オックスフォード大学が開発中のワクチンで「11月にも実用化できるのでは」と言われている。