10日、ラヴァ・ジャット作戦第74弾が敢行され、ペトロブラスとパウリスタ銀行との間で為替操作が行われた疑惑に関する家宅捜索が行われた。10日付現地サイトが報じている。
「ソブラプレッツォ(過剰利子、水増し請求などの意のイタリア語)作戦」と名付けられた作戦は、連邦検察庁と連邦警察が協力して行われ、サンパウロ市、リオ市、テレソーポリス市(リオ州)の3市で、25件の家宅捜索令状が執行された。
今回の捜査は、昨年5月の「ジスファルセス・デ・マモン作戦」で逮捕されたパウリスタ銀行関係者の報奨付証言(司法取引証言)に基づいたものだ。それによると、同銀行の役員3人と、為替が絡んだ業務を担当していたペトロブラスの従業員3人が中心となり、2008年から11年にかけて不正を行っていたという。
今回の捜査では、不正な操作に加担した企業の関係者や、不正計画に参加したとされる人物の家族も対象となっている。検察によると、偽造書類を使った融資や寄付などの形で、資産の隠匿などを計った嫌疑が家族にはかけられているという。
裁判所はすでに、不正な操作に関わったとされる人物の国内外の口座の残高、合計9790万レアルの差し止めも命じている。
これまでの捜査で、ペトロブラスとパウリスタ銀行との間で犯罪行為が繰り返されていたことが電話の通話記録やeメールなどで明らかになっている。銀行側の役員がペトロブラス社の従業員らに不正のやり方を指示していたという。
パウリスタ銀行は、ペトロブラス社関連のドルの売買で、総額77億レアル相当を扱っており、1ドルにつき0・001レアルを上乗せして両替を行い、その差額で得た収益をペトロブラス社の役員らに横流ししていたという。
また、パウリスタ銀行はQMKマーケティング&クオリティという架空企業と偽の契約書を取り交わし、非合法な資金洗浄を行っていたという。この為替操作で、ペトロブラスは1億レアルほどの損害を被ったという。
ペトロブラスは「我々は被害者だ」とし、積極的に捜査に協力する姿勢を示している。