ルーラ元大統領が「飢餓ゼロ」を掲げて当選後に取り入れた「ボウサ・ファミリア」と呼ばれる生活扶助などにより、飢えに苦しむ貧困家庭は半減していた。ところが地理統計院(IBGE)の調査で、このような家庭が再び増えていると17日付現地サイトが報じた。
17年6月~18年7月に行われた調査によると、基本的な食料をきちんと入手する事が困難な人は少なくとも1030万人おり、5年間で約300万人増えたという。
この調査は住む場所がある定住者だけを対象にして行われており、路上生活者は含まれていないため、実際に飢えに苦しんでいる人はこの数を上回るはずだ。
17~18年の調査では、食べ物には困っていないという人の割合が、これまでの調査の中でも最も少なかったという。
飢えに苦しむ人は農村部ほど多く、その半数近くは北東部に住んでいるという。5歳未満の子供の半数は満足に食事もとれない状態だという。
飢えに苦しむ家庭の半数以上は女性が家計の中心で、家族の数が多い家庭ほど、食料の確保が困難だという。当然の事ながら、食に窮している家庭では家計に占める米の購入費の割合が大きい。
食事が満足に取れない人の数は、2004年の1499万8千人以降、09年1129万2千人、13年722万5千人と減少していたが、今回調査では再び増加に転じた。
この事は、14年から始まった景気後退などで失職したり、所得が減ったりした人が増えた事などとも関係ありそうだ。