世論調査会社「IBOPE」がサンパウロ市長のブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)に対する調査を行った結果、新型コロナウイルス対策に関して54%が評価しているという結果が出た。だが、市政に関しては「良い」の評価が28%、「悪い」も28%と拮抗していることもわかった。21日付現地紙が報じている。
今回の世論調査は9月15日から17日にかけて、サンパウロ市民1001人に対して行われたもの。同市長のコロナ対策に関しては、54%の市民が「満足」と答え、「不満」の40%を上回っていることがわかった。
だが、市政そのものに対しての「良い」の評価は28%にとどまっている。3月のコロナの感染爆発開始時の支持率は20%だったから評価は上がってはいる。だが「悪い」の評価も28%で並んでいる。「悪い」は3月の時点では32%だったから下がっている。「普通」は今回は41%で、こちらも3月の45%より少し下がった。
ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事(PSDB)への評価は「良い」が23%、悪いが38%で、「悪い」が上回っている。この場合も、3月には「良い」が17%で「悪い」が39%だったので、印象は半年前より上がっている。
一方、サンパウロ市市長選に関して、現時点で1位はセウソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)の24%だ。18%のコーヴァス氏は2位で追走している状態だ。
3位はギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)で8%。4位はマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)で6%と、左派候補が続く。
18年統一選で流行した「ユーチューバー政治活動家」の一人で、高得票数を獲得して当選して話題となったアルトゥール・ド・ヴァル・サンパウロ州議(パトリオッタ)とジョイセ・ハッセルマン下議(社会民主党・PSL)は、共に支持率2%で5、6位となった。
一方、フェルナンド・ハダジ市長の政権時に運輸局長をつとめたジウマール・タット氏(労働者党・PT)は1%の支持で、左派市民のPT離れをうかがわせる。アミウトン・モウロン副大統領を擁する労働者刷新党(PRTB)党首のレヴィ・フィデリックス氏は同市長選立候補者の常連だが、1%の支持にとどまっている。
テレビ司会者出身で福音派に強い支持基盤のあるルッソマノ氏は、12、16年のサンパウロ市市長選でも最初は支持率で1位だったが、なぜか投票日直前に失速した。同氏は今回、ボルソナロ大統領の支持を得ることを切り札として考えている。
だが、今回のイボッピの調査で見る限り、ボルソナロ大統領の支持率は27%、不支持率は47%で、サンパウロ市民の間では反発の方が強い。そのため、コーヴァス陣営は「むしろ大統領にルッソマノ氏を支持してもらった方がいい」と考えているとさえ報じられている。