少し前の話になるが、14日付ニュースサイトで、二つのパンデミックを乗り越え、自宅に戻った男性の記事を見た。ミナス州在住で、102歳のライムンド・オリヴェイラさんだ。
ライムンドさんは生後9カ月でスペイン風邪に罹患したが、それを乗り越えた経験の持ち主だ。
同氏は75年前、現在92歳のニヴェルシナ・マリアさんと結婚。幸福な家庭を築き、14人の子供(生存者は9人)や22人の孫、25人のひ孫、2人の玄孫に囲まれて生活していた。
新型コロナ感染症で入院していた妻が良くなって退院した後に、今度は自分が発症して8月17日に入院。集中治療室にいたが人工呼吸器は不要で、8月31日に退院した。
ライムンドさんの家族は、102歳という年齢もあり、感染確認時に、家には帰って来れない事を覚悟した。だが、ライムンドさんは無事に回復し、退院。医師や看護婦が風船なども用意してライムンドさんを送り出す様子は、家族にとっても感動の一時だった。
家に着いて真っ先に探したのは、75年間連れ添って来た妻だったというライムンドさん。現在はエスピリトサント州イバチバで、奥さんと共に回復に努めている。
今月はリオ連邦大学が創立100周年を迎え、前身の医科大学時代も含め、二つのパンデミックとの戦いを続けているとの記事も出ており、二つのパンデミックを乗り越えたとの話は印象深い。
世界に目を向ければ、米国やスペイン、イタリアなどでも二つのパンデミックを乗り越えた人の事が報じられている。
世の中には誕生前に亡くなる胎児や若くして亡くなる人もいる。ブラジルではコロナだけで約14万人が亡くなっている中、命の尊さにもう一度思いを馳せたい。 (み)
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