《サンパウロ州政府》コロナワクチン年内実用化に意気込み=中国製の治験良好報告うけ

治験最終段階で良い報告が得られていることで、ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)が、中国製のワクチンを12月にも実用化させたいと考えているという。23日付現地サイトが報じている。
このワクチンは、中国の製薬会社「シノヴァック」が開発中の「コロナヴァック」で、サンパウロ市のブタンタン研究所の協力の下で最終治験(第3段階)を行っている。同知事と同研究所のジマス・コーヴァス所長は23日に、安全性を強調する報告を行った。
同知事によると、このワクチンの治験は全世界10カ国で行われているが、23日に発表されたのは、中国国内のボランティア5万27人に対する治験の結果だ。
それによると、副作用が出たのは5・36%で、いずれも軽いものだったという。最も頻繁に報告された副作用は「注射箇所の痛み(3・08%)」「疲労(1・53%)」「微熱(0・21%)」だったという。
コロナヴァックはまだ、高齢者や子供への治験が充分ではない。中国では9月から高齢者と子供への治験を始めたが、同国内で行う治験は第1、第2段階のみで、現在の治験者も422人と552人のみ。第3段階の治験は他の国々で行われる。
ブラジルでの治験は9千人を対象として行われ、これまでに5600人のボランティアが5州と連邦直轄区の12の医療センターで治験に参加した。23日の発表によると、ブラジルでの治験は高齢者や子供も含め、1万3千人規模に拡大される予定だ。今のところ重度の副作用が出た報告はない。
ドリア知事は「参加者の98%に抗体ができ、効用が確認されている」というが、コーヴァス所長は「治験の第3段階が終わるまでは効果のほどは実証されたとは言えない」としている。
サンパウロ州政府は、治験が成功して、コロナヴァックが「効用あり」と正式に認められた段階で、正式な予防接種ワクチンとして使用できるようブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)に申請する予定だ。
コロナヴァックのワクチン承認に関しては、ボルソナロ大統領が障壁になるのではないかと見られている。同大統領と保健省は英国オックスフォード大学が開発中のワクチン治験に協力しており、ワクチン購入や生産に向けた契約締結を希望していること、さらに大統領の中国嫌悪があるためだ。
だがサンパウロ州政府は、「それによってANVISAが審査を止めることはないだろう」と見ている。オックスフォード・ワクチンは最終治験で強い副作用が出た人が2人おり、治験中止(現在は再開)が起こっている。
もし万事がうまくいけば、中国製ワクチンは12月中旬以降から実用化できるとサンパウロ州は見ている。