ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》環境相がパンタナルの火災現場を再視察=ジャガー生息地の州立公園は85%焼失

《ブラジル》環境相がパンタナルの火災現場を再視察=ジャガー生息地の州立公園は85%焼失

パンタナルでの消火活動(Arquivo/Mayke Toscano/Scom-マット・グロッソ州)

 リカルド・サレス環境相が24日、マット・グロッソ州(MT州)ポコネ市を訪問し、森林火災の実状を再視察したと同日付現地サイト報じた。
 ポコネ市はマット・グロッソ州州都クイアバ市から102キロの所に位置するパンタナルの入り口的な町だ。そのポルト・ジョフレ地区にある州立エンコントロ・ダス・アグアス公園は、世界的に知られるジャガーの生息地。MT州とマット・グロッソ・ド・スル州(MS州)にまたがるパンタナルは世界最大の湿地帯だが、6月以降、森林火災が急増している。
 23日の地理統計院の発表によると、パンタナルでは今年、1万5756件の火災が発生。MT州で120万ヘクタール、MS州では100万ヘクタールを焼失している。

 サレス氏は森林火災の実状調査のため、8月18日にもMT州を訪問。マウロ・メンデス同州知事と共に上空から視察後、「鎮火に必要な事は全て行う」と約束した。
 だが、州立公園にも火が及び、ジャガーの生息地を脅かしているとの報道は9月はじめ。14日現在の被害は同公園の総面積10万8千ヘクタールの64・8%に及び、23日現在の被害は全体の85%との声もある。
 MT州やMS州の火災件数はここ数日の雨でかなり減っているが、ポコネ市環境局のダニエレ・アシス局長によると、この雨は一時的で、気温が上昇し始めたから、再び火の手が上がれば被害が拡大する可能性も大だ。
 アシス氏は、ポコネ市だけで30万ヘクタール以上を焼失しており、国も含めた統合的な対策が必要と訴えている。
 パンタナルに特化した法制定を考える議員の一人で、視察にも同行したウエリントン・ファグンデス上議は、「計画不足故に消防士達は超人的な働きを強いられている」という。メンデス知事の要請を受けた法務省は、23日に同州への国家治安部隊派遣を決めた。