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《ブラジル最高裁》大統領指名新判事に反対の声=予想覆す穏健な人選に

カシオ・ヌーネス氏(Twitter)

 ボルソナロ大統領が最高裁の新判事にと考えている候補が、味方から批判を浴びる事態が起きている。1日付現地サイトが報じている。
 10月13日に退官予定のセルソ・デ・メロ判事の後継者として、大統領は最高裁判事たちにカシオ・ヌーネス氏を指名する意向だと伝えた。ジウマル・メンデス、ジアス・トフォリの両判事にも引き合わせている。
 カシオ氏は第1連邦地域裁(TRF1)の判事で、年齢は48歳だ。ピアウイ州テレジーナ出身で、2011年からTRF1の判事を務めている。
 大統領は福音派の判事を指名すると予想されていたが、カシオ氏はカトリック。保守派判事のイメージではあるものの、特にボルソナロ派という印象は持たれていない。

 カシオ氏の名は、最高裁判事らには大方受けが良いと報じられているが、ルイス・フクス長官は、高等裁(STJ)を経ずにTRFから飛びこしの昇進となることで、技術的な面で不安を感じているという。
 だが、このボルソナロ氏の意向に対し、側近や支持者からは強い反対の声が起こっている。「カシオ氏では、最高裁内での保守派が不利な状況を打破できない」として、ワッツアップで大統領にメッセージを送り、取り下げるよう直訴する人たちも少なくないという。
 とりわけ、カシオ氏のTRFへの指名をジウマ大統領(当時)が行ったこと、夫人が以前に労働者党(PT)の上議の職員をやっていたことなどが嫌われている。
 大統領はこれらの反対に何も語っていないが、ネット上での受けを気にする傾向が以前から強いことから、別の候補に切り替える可能性もあるという。