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《ブラジル》コロナ禍=先住民保護の防疫障壁設置=遅ればせながら人や物の動き制限

「感染防止のため立ち入りを禁ずる」との看板を立てて警戒に当たる先住民(Divulgação/Aldeia Boará、Agência Câmara de Notícias)

 ボルソナロ大統領が1日、先住民への新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、先住民居住地への人や物の動きをコントロールするための「防疫上の障壁」を設ける事を認める暫定令(MP)を出し、同日付連邦官報に掲載した。
 先住民は感染症への免疫がない、または弱い。保護区などの限定された空間に住んでおり、外部から入って来た人や物がウイルスを媒介して感染が広がっても、支援が届き難い。
 「防疫上の障壁」は国や州、市の公務員や軍人で構成され、先住民が住む地域への人や商品などの動きを制限(コントロール)する。
 同暫定令では、障壁の設置や運用の責任は国立インディオ保護財団(Funai)が負う事も明記している。同財団には公務員や兵士への支払い責任も課せられる。

 防疫上の障壁設置は、連邦検察庁や先住民連合(APIB)、連邦議会が連邦政府に求めていたものだ。連邦政府の計画書は、8月末に最高裁のルイス・バローゾ判事が部分的に承認していた。暫定令発令は1カ月後となったが、障壁の設置期限は明記されていない。暫定令は即時発効だが、連邦議会の事後承認が必要だ。
 保健省によると、9月30日現在の先住民の感染者は2万8510人で、443人の死者も出ている。
 ただし、先住民のリーダー達が新型コロナ対策のために立ち上げた前線である「エメルジェンシア・インディジェナ」によると、感染者は3万4402人、死者は829人に達しているという。(1日付アジェンシア・ブラジル、同アジェンシア・カマラ・デ・ノチシア、同G1サイトより)