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【日本移民112周年記念】日本移民112周年記念日に寄せて=サンパウロ日伯援護協会 会長 与儀上原昭雄

与儀会長

 今を遡ること112年前の1908年(明治41年)6月18日、笠戸丸に乗った最初の日本移民781人がサントス港に上陸して112年の歳月が流れました。そして今や、ブラジル日系社会は190万人を擁する大きなコミュニティーに発展いたしました。先達の皆様方の幾多のご労苦とご功績に対し、深甚なる感謝の念と敬意を表したいと思います。
 残念ながら、ブラジル日本移民112周年を記念する本年は、終息の目途なく、3月から新型コロナウイルス感染症「COVID-19」が拡大し、世界各地で様々な影響をもたらしています。サンパウロ州とサンパウロ市では外出自粛を促す様々な政策が実施され、日系社会の全団体は人が密集するイベントを中止し、多くの団体はバーチャル・コミュニケーションを活用し、オンラインイベントを盛況に開催しております。
 厳しい状況が続く中で、日系社会をはじめ、ブラジル社会に対する移民先駆者の貢献を称え敬う「移民の日」を祝す機会を設けてくださったニッケイ新聞社の皆様に厚く御礼申し上げます。
 サンパウロ日伯援護協会は医療と社会福祉の二つの事業を展開しておりますが、コロナウイルスの感染拡大により、各事業に大きな影響を受けています。援協傘下の二つの医療施設に勤務する医療スタッフは勇気と強い決意をもって、最前線で新型コロナウイルス(COVID-19)と戦いながら、患者の治療にあたっています。
 援協傘下の四つの老人ホームにおいては、コロナウイルスに対し非常に脆弱な、平均年齢が90歳に近い200名以上の方が入居して頂いており、各施設の医療と介護スタッフが細心の注意を払いながら、感染予防対策に奮闘しております。
 しかしながら、勇気と希望をもって、様々な困難を乗り越え、現在のブラジル日系社会の繁栄を築き上げた先達の皆様方の信念を受け継いだ日系社会の皆様はこのコロナ渦を乗り越えることができると信じています。
 結びにブラジル日本移民112周年を日系社会の総意を以って心から慶祝すると共に、日系社会をはじめ、ブラジル国民が互いに協力し、一丸となって、このような困難な時期を乗り越えることができ、より強固な社会基盤を構築できると信じています。