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■訃報■句会世話人 広田ユキさん

広田ユキさん

広田ユキさん

 くろしお句会を初めとする句会の世話人や、俳誌「蜂鳥」などでも編集・校正に携わってきた広田ユキさん(和歌山県出身、96歳)が、10月2日(金)午後6時、サンパウロ市モルンビ区のサンルイス病院で老衰のために亡くなった。
 記録的に気温が高くなり自宅でぐったりしたため、娘に連れられて病院に行ったが、そのまま亡くなったという。3日(土)正午12時に10人までに限定して通夜が執り行われ、家族と串間いつえさんが参列した。カンポ・リンポのパス墓地(Cemitério da Paz)に埋葬された。
 広田さんは1957年にブラジル丸で渡伯し、30年以上俳句活動を続けてきた。日本の大会にも投句しており多数入選している。
 2013年3月3日に放送されたNHK俳句(選者・有馬朗人)では「カナンの地求めし移民原爆忌」が2012年度年間大賞に輝いた。
 明治神宮秋の大祭献詠歌でも入選歴があり、2010年は「百年の移民の歴史重ねきて混血となる孫よひ孫よ」、2019年は「故国よりブラジルに長く住み古りて花見弁当作る幸せ」で入選した。
 2005年に愛知万博国際俳句詩祭(世界俳句祭)では加藤耕子選と藤島咲子選で入選した。同年開催された「第2回海外日系文芸祭」では「ブラジルの水に馴染みて水中花」が角川『俳句』編集部賞を受賞。
 文協主催の「全伯俳句大会」や俳誌「蜂鳥」創立者である富重かずまさんの「かずま忌」の選者も務めていた。蜂鳥で共に活動していた串間さんは「古い字や難しい字、新しい言葉までなんでもご存知で生き字引のような人だった」と故人を偲んだ。