日本語センター(日下野良武理事長)がコロナ禍の最前線で治療にあたる医療関係者に対して感謝の気持ちを伝えるため「ありがとうプロジェクト」を企画し、全伯の日本語学校に呼びかけ、イラストや習字などの作品が約135点集まった。
9月23日に日本語センターの池本千草事務局長と事務員のミレーナ・バストスさん、サウーデ文化体育協会日本語学校の教師でプロジェクトメンバーの藤田美恵セレステさんらが、サンパウロ日伯援護協会(与儀上原昭雄会長)に手渡すために同本部へ足を運んだ。
作品集は援護協会の医療関係施設のほか、援協傘下の老人ホーム等へも作成された。与儀会長は作品を手にとって一点一点を見ながら「どの作品からもありがとうの気持ちが伝わってきます。一人ひとりお礼ができなくて残念」と顔をほころばせた。
「高齢者の方も喜ぶと思う。私にも3人孫がいる」と与儀会長の孫3人も日本語学校に通っており、作品を通して孫の成長を想像して「楽しみになりました」と微笑んだ。
例年、日本語センターでは「全伯日本語学校生徒作品コンクール」が実施されていたが今年は、コロナ禍により対面授業が出来なくなりコンクールも中止に。そこで先生も生徒も元気付けようと、スザノ市の金剛寺学園の伊藤万里子先生がプロジェクトを企画し、実行委員長を務めた。
プロジェクトは生徒だけでなく教師も参加し、最年少は4歳の子供がありがとうの気持ちを作品で表現している。「家族が亡くなった方もおり、声をかけるのは大変でした」と藤田さんは作品が集まるまでの道のりを振り返った。
プロジェクトには聖市だけでなくスザノ市や南麻州、遠くはベレンやトメアスーなどの20校が参加した。各学校から日本語センターに集まった作品をバストスさんら事務員でまとめたという。
日本語センターの池本事務局長は「紙で送るのは迷惑かと思いペンドライブで送ろうかと思っていた」が援協に確認し、作品集にする形に納まった。「おじいちゃん、おばあちゃん達はモノの方が見やすいですね」と園田昭憲副会長もうなづいた。