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《記者コラム》国民を危険に晒す大統領の強がり

回復前なのに退院し、ヘリに乗り込むトランプ氏(6日付ジアリオ・デ・ノチシアの記事の一部)

回復前なのに退院し、ヘリに乗り込むトランプ氏(6日付ジアリオ・デ・ノチシアの記事の一部)

 トランプ米大統領の新型コロナ感染報道以後、色々と考えさせられる出来事が続いている。
 トランプ氏は軍病院に4日間入院後、ホワイトハウスに戻った。入院前は、陽性反応が出た事を知りながら「結果が出るのは明日」と言って活動を継続し、入院前に酸素吸入を受けた事も隠していた。また、回復前なのに、感染者が増えているホワイトハウスに戻った上、マスクも外して、「大丈夫」と強がった。
 大統領選前だから15日の討論会には出席すると言う同氏に対し、バイデン候補は「安全性確認後に参加を決める」との意向を表明している。
 トランプ氏がマスク着用などの予防策を軽視してクロロキンに固執していた事、コロナ感染症を単なる風邪と語っていた事、隔離を嫌い、人が集まるような状況を作りたがっていた事などの、感染拡大を回避すべき責任を忘れた態度は、ボルソナロ大統領とも重なる。
 トランプ氏がコロナ感染症を単なる風邪とみなす発言をしたのは、「国民に衝撃を与えたくなかったから」と本人が語ったという。だが、それは同氏が以前、ボルソナロ氏の行動を懸念し、「米国民の大量死を防いだ」と語った事同様、コロナの怖さをある程度自覚していた証拠だ。
 それなのに、退院後すぐ、自分は大丈夫だと強がり、「コロナを怖がらず、外に出よ」というのは、自分の立場や影響力を忘れ、国民を危険に晒す行動に他ならない。
 米国とブラジルの感染者や死者がダントツに多い事や、連邦直轄区の感染率が医療崩壊も起きたロライマ州に次ぐ100万人あたり6万5264人という群を抜く高さである事と、マスクもせずに動き回り、人ごみを作り出す行動を好む大統領達の言動が結びついてしまうのはコラム子のみ?(み)