《ブラジル》家庭内暴力＝保護対策は４８時間以内に＝国家法務審議会が規定設ける

　新型コロナの感染拡大で外出自粛が言われ始めてから家庭内暴力や女性殺人が増えている事を受け、国家法務審議会（ＣＮＪ）が被害者が求めた保護対策を４８時間以内に有効とするように定めたと６日付現地紙サイトが報じた。
　家庭内暴力の被害者が保護対策を求めた場合、裁判所は、加害者である現・元夫や現・元恋人に対し、被害者に接近しない事などを命じるが、これまでは加害者に対する通達期限が定められていなかった。
　このため裁判所の命令にも関わらず、加害者が被害者に接近し、更なる暴行を加えたり、殺害したりする事態も起きていた。コロナ禍では家庭内暴力や女性殺人が増えており、犠牲者を増やさないために、被害者との接触禁止命令を早急に通達し、被害者を守る必要があると判断された。

　ＣＮＪは同時に、加害者への通達は、電話やＳＭＳ、ｅメールなどの手段も含む、最速の方法を探して行う事も定めた。
　ＣＮＪはさらに全国の裁判所に、１００％デジタルの審理を行う事も認めた。これは、コロナ禍の中でも、必要な審理を迅速に行うための方策だ。ただし、ビデオカンファレンス形式での審理実施は義務ではなく、デジタル審理を行うか否かの判断は、各裁判所の判断に委ねられる。