世界視力デーの8日、ブラジル眼科審議会(CBO)が、ブラジルではこの10年余りで白内障の手術が倍増したと発表した。
2019年に統一医療保健システム(SUS)で行われた白内障の手術は約60万1千件で、2009年の30万2千件のほぼ倍となった。手術増加率が最も高かったのはサンタカタリーナ州の430%で、リオ州324%、バイア州249%と続くが、アラゴアス、アマパー、セアラー、マラニョン、マット・グロッソ、ロライマの5州では手術数が減った。
CBOのジョゼ・ベニス・ネット氏は、白内障の手術が増えた最大の原因は、長寿化が進み、高齢者が増えた事と見ている。
白内障は、カメラのレンズにあたる水晶体が白濁して視力が低下する病気で、加齢や糖尿病などが引き金となって起こる。通常は60歳を過ぎてから気付くが、40代で発症する人もいる。
白濁が進むと、視界が暗くなる、白っぽくかすんで見える、眩しく見えるといった症状を自覚するようになる。視力が落ちたと思ってメガネを変えても視力が回復しないために眼科を受診し、白内障と診断される事も多い。
世界的に見ると、失明の原因の48%を占める。手術では水晶体を取り除き、人工レンズを挿入する事で視力を回復する事が出来る。
白内障の手術は眼科では最も頻繁に行われる手術で、近年はその技術も飛躍的に向上。技術向上と経験を積んだ医師が増えた事で、手術時のリスクは大幅に減り、日帰り手術も増えている。だが、術後に起こり得る問題を避けるためには、手術前後の医師の指示に従う事が必要だ。(8日付アジェンシア・ブラジルより)