インフラ省が、より安全な空の旅を目指す「エンバルケ・セグーロ」と呼ばれるプロジェクトを推進し、全空港に顔認証システムを導入する意向を明らかにした。
同プロジェクトの最初のテストは、サンタカタリーナ州フロリアノポリスの国際空港で8日から始まった。当面はLatam社のボランティアを使ったテストを行うが、安全性や迅速性などの有効性が実証されたら、全国規模のデータを駆使した顔認証システムを全国の主要空港に導入する意向だという。
インフラ省によると、電子扉を使った自動搭乗システムでは顔認証システムを取り込んだ製品が出回っているが、異なった政府機関のデータを統合し、全国規模で顔認証を行えるシステムはまだ構築できていない。
同省では、全国乗客情報システム(Sisbraip)のデータと機密機関などの情報と交錯させる事で、注意を要する人物や危険とみなされる人物の搭乗を事前に防ぐ事なども可能になると考えている。
顔認証システムは電子式のチェックインの時に航空便利用客の顔写真と照合する形で使われ、待合室へのアクセスを容易にする。このシステムを使用すると、乗客は搭乗時も書類を手にする必要がなく、指紋照合だけで搭乗できるようになるという。
システムの運用は、連邦政府の情報監視システムの運用を担当するSerpro社との協力を得て行われる。同社は、納税者番号(CPF)の情報と乗客の写真を統合させるアプリの開発を行っている。
乗客の指紋は、国家交通局(Denatoran)が管理する運転免許証のデータバンクを利用して照合する。このデータバンクには既に、5600万人分のデータが保存されている。将来的には他の政府機関のデータバンクとも連結させ、より広範囲の情報を利用できるようにする意向だという。(10日付アジェンシア・ブラジルより)