地理統計院(IBGE)が16日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する調査で、9月第4週は失業者数が急増し、失業率も同調査では過去最高の14・4%に高まったと発表したと16~18日付現地紙、サイトが報じた。
9月第3週の失業率は13・7%だったが、64万7千人が解雇された事もあり、求職者は1週間で72万6千人増え、1400万人に達した。
パンデミックに伴う外出自粛が始まった3月以降は雇用維持のための一時帰休や時短・減給などの措置も導入されたが、経済活動縮小で、非正規雇用者を中心とした解雇増は防ぎきれなかった。
5月以降は経済活動も徐々に再開し始めたが、経済活動が縮小したまま外出規制も厳しかった時は、失業後も求職を諦め、政府の緊急支援金だけで生活する人が増えた。コロナ禍では仕事も求職もしていなかった人の数が新記録を更新していたが、「失業者」は職を探しているが就業できない人を指すため、失職したが職を探していない人は失業者には数えられない。
だが、外出規制が徐々に緩み、経済活動が少しずつ活性化して来た事、一時はマイナス9%台と言われた国内総生産(GDP)が回復の兆しを見せ始めた事、さらに、緊急支援金の額が半減し、年内には終わる事が明らかにされた事で、職を探す人が増えている。
60万人余りが解雇され、失業者も増えたが、就業者数は増加傾向にある事は、求職者が増えた事を意味する。
失業者が特に増えたのは北部と北東部で、バイア州の失業率は19・9%、セルジッペ州の失業率は19・8%だ。当然、緊急支援金受給者も多く、誰かが支援金をもらっているという家庭は52・2~71・4%に及ぶ。
緊急支援金受給で所得が増えた人達が、食料品などの必需品や電気電子製品の購入、住居のリフォームなどに財を投じていた事は、これら二つの地方の小売販売が4~8月に51%伸びた事でもわかる。
両地方では16州中15州で、4~8月の小売販売がパンデミック前の水準を超えているが、中西部や南部、南東部での伸びは27%に止まっている。
誰かが緊急支援金を受け取っている家庭の割合は、南部24・8~36・8%、南東部34・8~45・3%、中西部33・6~45・1%となっている。
IBGEでは、北東部などで失業率が高まっている事を認めつつ、9月第3週から第4週にかけての伸びは季節性も考慮すれば誤差の範囲内との見方も示す。
また、今後はブラックフライデーやクリスマス商戦もあるため、北部や北東部でも、サービス業を中心に雇用が増えるとも予測。ただし、一時的な雇用増は非正規雇用の増加に繋がる可能性も強い。
9月第4週の非正規雇用率は33・6%から34・2%に上昇。解雇されたのは正規雇用者が多かったようだ。