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《ブラジル》コロナ禍で再生資源ごみ増える=電商とデリバリーの増加で

ゴミ捨て場に捨てられた再生資源ごみを集める男性(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 新型コロナウイルスの感染拡大で生活習慣が変わり、インターネットを使った電商取引(オンライン販売)やデリバリーを利用する人が増えた事で、包装用の段ボール紙などの再生資源ごみが増えたという。
 波型段ボール紙協会(ABPO)によると、段ボール紙の製造量は第1四半期に昨年同期比で7・5%増えたが、第2四半期は3・2%減少した。しかし、第3四半期は一気に回復し、昨年同期比で15・4%増を記録した。
 第3四半期の需要増は生産能力を圧迫し、従来は7~30日で納品できていた品が、30日以上先でないと納品できなくなっている。また、段ボール紙の回収率が落ちた地域があり、原料価格が上昇しているという。
 ブラジル公共清掃協会(Abrelpe)によると、外出自粛(クアレンテーナ)が始まった頃はごみの量は減っていたが、6月以降はごみの量が増え始めたという。
 具体的には、4月はごみの量が6%、5月は9%減ったが、6月は一般ごみが2%、再生資源ごみが30%増えた。この傾向は現在も続いており、再生資源ごみは約30%増えたままだ。

 プラスチックや段ボール紙といった再生資源ごみの増加は、オンライン販売やデリバリーを利用する人が増えた事が原因だ。運送・配達の途中で商品が壊れたり、こぼれたりしないよう、充分に注意して、個別包装する必要が生じたからだ。清掃協会では、この傾向は少なくとも数カ月間は続くと見ている。
 ただ、再生資源ごみの収集や分別を行う施設の中にはコロナ禍のために活動を中断または閉鎖したところもあり、再生資源ごみの増加にリサイクル率がついてこないという事態も発生。中には、再生資源ごみが増えているのに、リサイクル率がパンデミック前より低くなったところさえある。
 だが、清掃協会では、現在は再生資源ごみの量が増えているから、投資を行う必要と価値があると強調する。再生資源ごみを集積、整理のためのリサイクル公園(parque de reciclagem)は絶対数が足りない上、南部や南東部に集中しているから、全国に拡大普及させる必要があるという。(16日付アジェンシア・ブラジルより)