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仏ニース・テロ=犠牲者にブラジル人女性=バイア州出身のシモーネさん

シモーネさん(Facebook/Reprodução)

 29日に南仏ニースのノートルダム大聖堂で起きたテロで、ブラジル人女性が犠牲者に含まれていたことがわかった。30日付現地紙が報じている。
 事件は現地時間の29日午前9時頃、ノートルダム大聖堂に、刃物を持ったイスラム系で21歳の男性が入り込み、大聖堂内にいた人たちを襲って首に切りつけた。
 その内の2人(60歳の女性と55歳の男性)は、ほとんど首を切断された状態だった。男性の方はヴァンサンという名の同大聖堂関係者であることがわかっている。
 同日夜、ブラジル外務省は3人目の犠牲者がブラジル人のシモーネ・バレット・シウヴァさん(44)だと発表した。シモーネさんは大聖堂内で襲われて重傷をおった後、すぐ前にあるレストランの中に逃げ込んだが、そこで息絶えた。

 証言者の話によると、シモーネさんが店内に逃げ込んできた時は血だらけで、「武装した男性に襲われた」とだけ告げたという。
 シモーネさんはバイア州サルバドール近郊のロバート出身で、姉妹のひとりが運営していたダンス・グループのメンバーのひとりとして、1995年にフランスに移住した。シモーネさんの両親は既に他界しているが、それ以外の家族は1人を除いて全員フランスに移り住んでいた。
 シモーネさんは老人介護の仕事をしていたが、調理師の資格を持っており、将来はフードトラックで世界中を渡り歩くのが夢だったという。
 シモーネさんの親友のひとりは「いつも笑顔の絶えない明るい人だった」と故人を偲んでいる。
 犯人は侵入から約30分後、駆けつけた警官の銃撃を受け、重傷を負って拘束された。フランスのマクロン大統領は「これはフランスという国を相手にしたテロ行為だ」と厳しい声明を行った。