3日より、サンパウロ市で約8カ月ぶりに、学校に直接行き、教師と対面する形での授業が再開された。3日付伯字サイトが報じている。
サンパウロ市では、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための外出自粛令に伴い、市内のあらゆら学校で3月23日から、直接学校に出席する形での授業が中止されていた。
今回の学校再開は、ブルーノ・コーヴァス市長(民主社会党・PSDB)が10月22日に採択した通り、高校(中等教育課程)に限定して、正式カリキュラム(正課)の授業再開を認めたものだ。
この措置は公立、私立に関わらず適用されるが、再開と出席は義務ではない。サンパウロ市ではすでに10月7日から、幼稚園、小学校、中学校の「課外授業」の再開を認めていた。だが今回は、幼稚園や小・中学校(基礎教育課程)の正課授業の再開は見送られた形となった。
サンパウロ州ではすでに市立、州立、私立の学校での正課授業の再開が認められている。だが実際にそれを実施するか否かは、各市の判断に委ねる方針が取られていた。
州内には「2021年になるまで学校の再開は行わない」とする市の方がむしろ多く、基礎教育課程まで含めた正課授業再開に踏み切った市は、わずかにソロカバ、ピラシカーバ、サンカルロスのみだった。サンパウロ市でも反対の声は強かったが、コーヴァス市長が今回の判断に至っていた。
今回の授業再開で、州立校なら611校の31万1千人、市立校なら8校の2410人の生徒が対面授業に戻ることができるが、サンパウロ市側はこの授業再開を「必須とはしない」見解を示している。
市側は、「授業における生徒の最大人数」についての言及は行っていないが、各教室では最低1・5メートルの社会的距離を確保することが求められている。
サンパウロ市が行った市立校の教師、生徒、職員に対する新型コロナの抗体検査では、コロナ感染率は13・2%であったことが発表されている。初回の全校検査では、10月21日までに6万5400人が検査を受けた。サンパウロ市市役所は、既にコロナ感染症に罹患したことが確認できた教師だけを現場に戻す意向だ。