15日に行われる全国市長選に関し、ボルソナロ大統領が推薦、もしくは同大統領との結びつきをアピールする州都の候補者たちが軒並み苦戦していると、10月31日付エスタード紙電子版が報じている。
投票日まで2週間を切ったのに、ボルソナロ大統領と何らかの結びつきのある州都の候補者たちは、世論調査での支持率がふるっていないのが現状だ。
サンパウロ市では、選挙放送がはじまった10月9日頃までは30%に届こうかという勢いで支持率1位だったセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)が、10月30日に発表されたブラジル世論調査・統計機関(イボッピ、以下同)の調査では20%まで落ち込み、26%の支持を得た現職ブルーノ・コーヴァス市長(民主社会党・PSDB)に差をつけられた。さらに、前回調査の10%から13%に上昇したギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)の追い上げにもあっている。
リオ市は、大統領本人の拠点であり、長男フラヴィオ、次男カルロス両氏の所属政党でもあるRPの現職市長マルセロ・クリヴェラ氏を強く推薦している。だが、イボッピの調査での支持率は14%で、首位を行くエドゥアルド・パエス元市長(民主党・DEM)の32%の半分にも満たない状況だ。3位のマルタ・ロシャ氏(民主労働党・PDT)にも14%で並ばれた状態だ。
ルッソマノ氏は自身のキャンペーンからボルソナロ大統領の名前を外していたが、ボルソナロ氏は10月29日に改めてルッソマノ、クリヴェラ両氏への投票を呼びかけた。両者が大統領との結びつきをアピールしてある程度の好感触を得ていたのは、選挙戦が始まる前と開始直後くらいだ。
サンパウロ市、リオ市だけでなく、大統領が推す候補は他の州都でも苦戦している。まずミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテでは、モウロン副大統領の労働者刷新党(PRTB)のブルーノ・エングレール氏が出馬しているが、わずか3%の支持で、再選を狙うカリル氏(社会民主党・PSD)の63%に遠く及ばない。
リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレではグスターヴォ・パイム氏(進歩党・PP)、ヴァルテル・ナジェルステイン氏(PSD)が大統領との結びつきを主張しているが、共に2%の支持率にとどまっている。バイア州サルバドールでもセーザル・レイテ氏(PRTB)がわずか1%だ。
ペルナンブッコ州レシフェではテメル政権元教育相のメンドンサ・フィーリョ氏(DEM)がボルソナロ氏とそっくりのスローガンを掲げているが、18%の支持で2位だったところが13%で4位と逆に落ちた。
大統領支持率の高いアマゾナス州マナウス、パラナ州クリチーバでも状況は同様で、前者ではコロネル・メネゼス氏(パトリオッタ)が5%、後者ではフェルナンド・フランシスキーニ氏(社会自由党・PSL)が6%と苦戦中だ。
セアラー州フォルタレーザ市長候補のカピタン・ワグネル氏(社会秩序共和党・PROS)は唯一、大統領推薦の候補の中では28%の支持で首位だが、同氏は「国政からの中立」を重ねて主張している。また、同市は元来、左派の強い地盤で、ルイジアーネ・リンス氏(労働者党・PT)、ジョゼ・サルト氏(PDT)が23%と16%で迫っている。