米国大統領選は開票中だが、トランプ氏が早々と「再選」を宣言。祝辞を述べた国家首脳も出ているが、欧州諸国は「正式な結果を待つ」という姿勢を打ち出している。
ボルソナロ大統領は今回の米国選挙は22年の大統領選の布石になると見、開票結果がブラジルとの関係も左右するという考えを表明。(バイデン氏が当選すれば)「自由が脅かされる」という発言まで行っている。
だが、モウロン副大統領は「国と国の関係が大統領次第で変わるはずがない」と発言。新型コロナワクチン問題で「最初に承認したものを買うのは当然」と発言したのに続く大統領発言否定と見る人の中では反対派リーダーとの声が強まった。
選挙は現在の為政者への評価の場でもあり、正しい意味での論議や批判は歓迎されるべきだ。
だが、米国では、バイデン陣営の候補のバスをトランプ氏支持者の車がとり囲み、幅寄せ運転などを行ったため、同候補が集会を中止する事態などが発生。両陣営支持者が殺傷事件寸前の状態に陥る場面も起きた。
米国のような民主主義国家で、暴力で相手を脅し、期日内に投函された投票用紙の有効性を否定すると騒いだりするのは驚きだ。
ちなみにブラジルでは、10月26日までに市長・市議選の候補者などが76人殺されている。先日も市議候補の車が蜂の巣にされ、候補者本人も負傷という事件が起きた。一部の市では犯罪組織が選挙に関与しているとの話もある。
トランプ氏の支持者達は熱狂的で、投票日直前の集会でもマスクを着けずに叫ぶ人が圧倒的に多かった。一方で、新型コロナの死者が多い地域ではトランプ氏の支持率が低いという話は、ワクチン問題などでボルソナロ氏の評価が低い都市で、大統領が支援する候補が軒並み沈下という結果とも重なる。表立って語らなくても、国民は見ている。(み)
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