栢野桂山(かやの・けいざん)こと、栢野計治(かやの・けいじ)さんが3日正午頃自宅で亡くなった。行年102歳。100歳を超えても元気ですごしていたが、2~3週間前から食事量が段々と減り、老衰のため亡くなったという。
翌日4日午前10時にモルンビー墓地に埋葬。コロナ禍のため葬儀は行われず、近親者のみが見送った。
栢野さんは1918年に岡山県総社市で生まれ、1930年に12歳で渡伯しリンスのコーヒー園耕地に配耕された。
16歳頃に農業の傍ら父から教えて貰ったことをきっかけに俳句を始め、1947年には佐藤念腹師より写生俳句や写生文の指導を受ける。この頃にはラビニアに転耕、珈琲栽培と養鶏をしながら農協運動に身を入れた。
栢野さんは2006年6月に日本人移住百周年を記念して発刊された『人文科学研究叢書』の第4弾「ブラジル日系コロニア文芸(上巻)」を清谷益次さんと共に執筆。日本移民が生活の中で感じた心情を俳句や短歌を通して表現した作品を集め解説した。
日系コロニアの俳壇で長きに渡り活動し、様々な句会や選考に携わり続け、俳壇を盛り上げて貢献し続けていた。