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《ブラジル》強姦裁判中に被害者女性を侮蔑=弁護士「嘘の涙とワニのような唇」

マリアナ・フェレーラさん(Twitter)

 9月9日に、サンタカタリーナ州で強姦被害を訴えていた女性が、十分な証拠もあったにも関わらず、「強姦はいいがかり」との言い分が認められて敗訴した裁判で、被告側弁護士が原告の女性に侮蔑表現を使って罵倒するなどしていたことが明らかになり、波紋を投げかけていると、3、4日付現地紙、サイトが報じている。
 裁判の原告のマリアナ・フェーレルさん(23)は、インスタグラムに85万人のフォロワーを持つファッション・ブロガーとして知られている。
 マリアナさんは、2018年12月、サンタカタリーナ州海岸部のナイトクラブ、ジュレレー・インターナショナルでのイベント中に、サッカー選手のマネージメントを手がける企業家アンドレ・デ・カマルゴ・アラーニャ氏から酒や薬で酔わされた後、VIPルームで強姦被害に遭ったと訴えていた。
 当時、マリアナさんは21歳で、性経験がなく、何をされたのかもよくわからないまま襲われたという。検察によると、マリアナさんの衣服からはアラーニャ氏の精液が検出されていたという。この件で、州検察局は同氏を強姦罪で起訴。裁判所も告発を受け付け、アラーニャ氏は被告となった。

 アラーニャ氏はこれに対し、「オーラル・セックスは交わしたが、強姦はしていない」と主張。20年9月9日に行われた裁判では無罪を勝ち取った。この時点で裁判の不当を訴える抗議がネット上で起こっていた。
 すると3日、報道サイト「ジ・インターセプト」が、このときの事実を裁判のビデオ付きで報じ、問題が大きくなった。そこではアラーニャ氏の弁護士クラウジオ・ガストン・ダ・ローザ・フィーリョ氏が、マリアナさんがモデルをしていた時代のセクシーな写真を持ち出し、あたかも彼女が誘惑して罠にはめたかのように話した上、「嘘の涙とワニのような唇で騙そうとしても無駄だぞ」とマリアナ氏を挑発していた姿が、ビデオに映し出されていた。
 このビデオは公開と共に強い社会的な波紋を投げかけただけでなく、最高裁のジウマール・メンデス判事までもが、「彼女は公衆の面前で辱めを受けた」と強い不快感を示した。国家法務審議会(CNJ)は既に、この裁判を担当したルディソン・マルコス判事を調査する意向を示しているが、現地のブラジル弁護士会は、原告女性側についた国選弁護人のクラウジオ・ガストン・ダ・ローザ・フィーリュ氏も職務怠慢などにあたるとして、CNJの審理の対象とするよう、求めている。