リオ州地裁と同州議会の合同特別法廷が5日、更迭中のヴィッツェル知事の罷免審理の継続と減給、公邸からの追放を決めた。
ヴィッツェル氏は、同氏の妻の弁護士事務所などを介した組織的な汚職疑惑などで起訴され、8月28日に高等裁から6カ月間の停職を言い渡された。この日には、州政府に関連する施設への立ち入りや州公務員との接触、州が提供するサービスの利用も禁じられた。
種々の疑惑を受けて提出された罷免請求を州議会が受理した事で生じた停職期間は180日間だ。罷免請求を受理した後に開設された州議員と州地裁判事各5人からなる合同特別法廷は5日、罷免審理を正式に始める事と共に、10日以内に州知事公邸を退去する事と給与を3分の1とする事も決めた。
5日に決まった事柄は直ちに本人にも伝えられた。ヴィッツェル氏は、決定事項通達後から最終判決が下りるまでの間、州知事としての職務を行う事が禁じられる。
ヴィッツェル氏はこれを受け、ネット上で証拠もなく起訴されたと主張し、嫌疑が晴れる事を確信していると述べた。
罷免審理継続は10日以内に公式に報じられなければならず、それから20日の間、ヴィッツェル氏には自己弁護の機会が与えられる。自己弁護のための資料提出後は証人喚問が行われ、検察側とヴィッツェル氏の双方に質疑の機会が与えられる。その後は、原告側と被告側が各10日間、最終的な申し立てを行う。
特別法廷での判決はその後で、罷免への賛成票が7票以上なら、ヴィッツェル氏は正式に罷免となるが、政治活動の禁止期間は、罷免判決後に特別法廷が決める。
罷免反対となった場合は、高等裁が定めた180日間の停職期間終了後に、知事職復帰となる。
報告官のヴァルデッキ・カルネイロ州議は、「新型コロナの感染拡大に伴う非常事態宣言後は八つの臨時病院建設のための知事令が出たが、実際に開設されたのは二つだけなど、州行政は嘆かわしいの一言に尽きる」とした後、「ヴィッツェル氏に対する起訴の内容は疑う余地がない」と結んだ。
フェルナンド・フォッシュ判事も、「ヴィッツェル氏は知事という職務に相応しい尊厳をもって行動しなかった」「犯罪行為を示す明確な物証などもあるのに、弁護側はヴィッツェル氏を犯罪行為から遠ざける事よりも、証言内容や証言者の信ぴょう性否定に傾注している」と主張した。
合同特別法廷での審理にはまだ2カ月程度かかる見込みで、裁判長のクラウジオ・デ・メロ・タヴァレス判事は5日の審理前、「1月半ばに結審となる」との見通しを明らかにした。
ただし、本人や検察が提出する各種書類の吟味や、起訴内容を確認するための証拠収集などに手間取れば、最終的な判決が出るのはそれよりも遅くなる可能性がある事も認めた。(5日付G1サイトより)