地理統計院(IBGE)と国家配給公社(Conab)が2021年と2020/21農年の穀物の収量予測を発表したが、いずれも新記録を更新しそうだと11日付現地紙が報じた。
IBGEは今年の穀物収量予測を2億5200万トンで据え置いたが、来年の穀物収量は今年を0・5%上回る2億5320万トンと予想した。
IBGEの収量予測は1975年に始まったが、今年の収量、来年の収量は共に新記録を更新するものだ。1975年の穀物収量は3940万トンで、現在なら大豆の収量の3分の1に過ぎない量だった。
大豆の場合、今年上半期の収量は1億2150万トンだった。来年の収量は、今年より4・6%増の1億2710万トンと見込まれている。IBGEによる来年の収量予測は、今回が初めてだ。
全体の収量予測は大豆の増産がけん引しているが、これは生産性向上による部分が大きい。IBGEでは、今年の作付面積は昨年比1・2%増で、収量の増加分を下回るとした。また、中国を中心とする国々への輸出増も、大豆の増産に繋がったと見ている。
IBGEによると、生産性向上を後押ししたのはリオ・グランデ・ド・スル州だが、同州での大豆生産は、厳しい干ばつのため、1千万トンの減収となったという。
なお、来年も収量増が予想されている事で、ブラジルは大豆の生産世界一の座を堅持する見込みだ。
他方、Conabの2020/21農年の収量予想(2回目)は2億6894万トンで、2019/20農年を4・6%上回る見込みだ。