11日にペルー暫定大統領に就任したばかりのマヌエル・メリーノ氏が、15日に突如辞任を発表し、わずか5日間の就任で終わった。16日付伯字紙が報じている。
メリーノ暫定大統領はこの辞任について、就任の頃からずっと引き続いている国民の抗議活動の責任を取るためと語っている。一部では議会が辞任を求めたとの話もある。
ペルーでは9日、国民議会がマルティン・ヴィスカラ大統領の知事時代の収賄疑惑を問い、罷免を成立させた。だが、ヴィスカラ氏は国民の75%という高い支持を得ていた上、ヴィスカラ政権に関する不満は特に上がっておらず、不可解な罷免だととらえられていた。逆に、国民議会に対する国民の不支持率は59%と高かった。
ペルー国内ではヴィスカラ氏の罷免直後から、連日、デモが起こっていたが、14日に起こったデモは特に混乱が大きく、2人が死亡、102人が負傷、41人が行方不明となった。負傷者の内、63人は銃弾などで負傷したり催涙ガスを吸い込んだりして入院している。
メリーノ氏の後任は16日午後5時頃、ヴィスカラ氏罷免に反対票を投じたフランシスコ・サガスティ氏に決まった。政治の空白期間を生じさせないよう、メリーノ氏が残した18人の閣僚の処遇は、この時点では明らかにされていない。