「歴史ある日本館で、日系コミュニティーと共に過ごし、友情と友愛の絆を深められました」――17日にサンパウロ市イビラプエラ公園内の日本館を訪れたブラジル陸軍南東司令部の総司令官エドゥアルド・アントニオ・フェルナンデス大将は、そう乾杯の音頭をとった。同館を見た同大将は、「イビラプエラ公園の歴史ある日本館で過ごせる事は非常に誇らしく嬉しく思います」と顔を綻ばせた。
ほかにブラジル南東軍の第2軍管区司令官ジョアン・チャレラ・ジュニオール陸軍中将、第2陸軍師団司令官エドソン・ディール・リポリ陸軍中将、サンパウロ軍事サークルクラブ会長ジョアン・ディニズ中将、第11歩兵旅団司令部中隊司令官エドソン・マサユキ・ヒロシ陸軍少将など錚々たる将官らが同館を訪問した。
南東軍の訪問には日本館を運営するブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長のほか、管理委員会の栗田クラウジオ委員長、山室エルベルト信(まこと)企画担当理事、中島エドアルド剛(ごう)事務局長のほか、西尾ロベルト義弘宮坂国人財団理事長が迎え、和やかな雰囲気の中、敷地内を見学した。
石川会長は南東陸軍一同の訪問へ感謝を述べると共に、ブラジル国内唯一の純日本式建築である同館は日本の中島工務店(本社・岐阜)が修復を手がけていることを説明。日系コミュニティーを代表する文協が、今年で65周年を迎えることも付け加えた。
イビラプエラ公園には度々足を運ぶというフェルナンデス大将だが、日本館に入るのは初めてだという。家族も連れて訪問し、日本文化にふれて「さらに刺激をうけた」と好感触を示した。特に印象が残った場所は「天皇・皇后両陛下が植えた松の木」と「イペーと桜の間に建つ記念碑」が印象的だったと振り返った。