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《ブラジル》決選投票でフェイクニュース戦=レシフェでは世論調査に影響?=サンパウロ市やリオでも問題浮上

レシフェで問題になったパンフレット(Whatsapp)

 29日に行われる市長選の決選投票を前に、対立候補に対するフェイクニュース(虚報)拡散問題が浮上しつつある。この戦術は、2018年の大統領選で現大統領のボルソナロ氏が使ったと強く疑われている方法で、かねてから問題視されている。26日付現地紙、サイトが報じている。
 2018年大統領選の際は、一次投票前に、ワッツアップを通じてフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)に対するフェイクニュースが大量に拡散されて問題となった。このときは、特定の請負業者が死者などの納税者番号を悪用して大量に携帯電話を入手して機械につなぎ、数千万単位のフェイクニュースが流されていた。
 この問題に関するニュースは大統領選の決戦投票前にすでに報じられ、のちにワッツアップ米国本社も「政治的で、おかしな動きがあった」と認めた。この件は、現在もなお、選挙高等裁判所で審理の可能性を残している。
 必ずしもワッツアップを介したものではないものの、「対立候補への根拠の定かでない罵り」を投票日近くに拡散することが、決選投票を前に目立ってきている。
 24日、ペルナンブッコ州の選挙地域裁は、州都レシフェの市長候補ジョアン・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)の陣営に対し、対抗候補のマリリア・アラエス氏(労働者党・PT)に対する、根拠が確かでない中傷を掲載したパンフレットの配布を禁じた。

 このパンフレットには、マリリア氏が中絶完全合法化や麻薬合法化の支持者で、「レシフェ市議会から聖書を取り去った」「全国のキリスト教信者を迫害したいがためにPTにいる」などと誹謗する内容が書かれていた。
 翌25日には、このパンフレットに類似した内容のジョアン氏の選挙放送の放映も禁止された。選挙キャンペーンでの虚報問題でジョアン氏陣営が敗訴したのは3件目だ。
 イボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)が25日に発表したレシフェ市での世論調査では、18日発表の調査では45%の支持を得て優勢だったマリリア氏が41%に落ちる一方、39%だったジョアン氏が43%に上がり、マリリア氏を抜いた。問題のパンフレットは調査対象期間中も配布されていた。
 一方、サンパウロ市でも、ブルーノ・コーヴァス市長(民主社会党・PSDB)の市政スタッフのファビオ・レピケ氏が、対立候補のギリェルメ・ボウロス氏を、南米規模の極左集団「フォロ・デ・サンパウロ」の一員だとするメールを拡散したと報じられている。24日にはコーヴァス氏自身も、ボウロス氏をキューバやベネズエラの独裁政権と結びつける発言を行っていた。
 また、リオ市でも、マルセロ・クリヴェラ市長(共和者・RP)が、対立候補のエドゥアルド・パエス氏(民主党・DEM)を「中絶完全合法主義者」「麻薬の合法主義者」「同性愛の推進者」と批判したパンフレットを配布し、禁止処分を受けている。