【既報関連】真宗大谷派の本山・東本願寺(京都市下京区)は20日10時(日本時間)、第26代門首に就任した大谷暢裕氏(69歳、ちょうゆう)の「門首継承式」を3時間に渡り同寺内で行った。その様子は動画投稿アプリユーチューブで中継配信され、1歳の時からブラジルに暮らすブラジル国籍の物理学者である新門首らしく、ただでさえ3カ国語で就任挨拶をするのは異例だが、日本語と英語に加えて初めてポ語でも挨拶をした。
当日、同派の僧侶や信者、約500人が集まり人間距離を空けて式が執り行われた。
新門首は表白(宣誓)の中で「ブラジル育ちである私が、今日まで歩みを進めることができたのは多くの方に支えられたおかげ」と感謝の思いを述べ、「現在、社会の貧困、差別、格差に苦しむ人々、不安と孤独に悩む人々の問題と年齢問わぬ宗教離れ・寺離れの問題にも真摯に向かいたい」とし、「大谷暢顯前門の果たされた役目を引き継ぎ同朋(どうぼう)の輪の広がりに微力を尽くしたい」との意気込みを語った。
その後、記念法話などを挟んで門首挨拶で再びマイクの前に立ち、継承式に関して「深い感動をもって受けとめております」と前置きし、「今の時代ほど、国家や民族、言語、習慣など、あらゆる差異を超えて、生きとし生けるものがお互いに響き合う世界が求められているときはありません」と世相を見通した上で、阿弥陀仏の本願の教えを世界の人々に広く丁寧にお伝えしていくことを願い信じると述べた。
当日は英語、ポ語でも挨拶。その内容は英語サイト(http://www.higashihonganji.or.jp/news-en/info-en/39511/?location=en)に掲載されている。
前門首の大谷暢顯氏(ちょうけん、90歳)は文面で「門首として務めた24年は仏祖のご恩と御同朋(おんどうぼう)の皆様のおかげです。心から深く感謝申し上げます」を述べた。暢顯氏は6月30日付けで退任、大谷新門首が7月1日に就任していた。
大谷新門首は、南米開教使である父・故暢慶氏と共に家族で渡伯した。サンパウロ大学(USP)理学部で物理学を学び、ブラジル航空技術研究所に勤めた。11年には同派鍵役として就任し、14年には門首後継者に任命され、翌年15年から京都に住んでいる。
「真宗大谷派第26代門首門首継承式」は以下ユーチューブにて視聴可能。(https://www.youtube.com/watch?v=7OCn7gnH_5Y)