統一地方選の決選投票も終わり、アマパー州州都のマカパー以外は全ての州都の市長が出揃ったが、今回の統一地方選でも、州都で当選した女性市長は1人だけだった。
州都の市長選で当選した女性が1人だけだったのは3回連続。今回の決選投票では女性候補が5人いたが、全員が落選した。そのため州都で当選した女性市長は、18年に当時の市長が辞任したために市長となり、11月15日に再選を果たしたパルマスのシンチア・リベイロ氏(民主社会党・PSDB)のみ。
11月30日付エスタード紙によると、州都で女性市長が1人だけという状態は、12年にロライマ州ボア・ヴィスタのテレーザ・スリタ氏が当選した時から3回連続だという。
その前の04年と08年は州都での市長選の当選者が2人いたが、過去最高は2000年の選挙での5人で、以来、この数を超えられずにいる。
全国の市議会をみると、11月26日の集計(93市の情報はまだ未集計)では、女性市議がゼロという市が931市ある。これは全国の市議会の17%に相当するが、16年選挙での1292市(27・9%)と比較すると、状況は改善されている。
女性の候補者や当選者が人口比率から見て少ない事は、かねてから問題視され、候補者の30%は女性とする事などが定められているが、専門家によると政党の支援や投資がまだ足りないという。
サンパウロ州コチア市では、女性市議ゼロという歴史を変えようと、社会主義自由党(PSOL)のカロリーナ・ルビナト氏ら女性5人がチームを組んで出馬、当選した。そんな彼女達が政党からの割当金1425レアルを受け取ったのは一次投票日の1週間前。それまでの活動費は全て自腹だった。
市議会の中での少数派は女性だけではなく、黒人やその混血の褐色(パルド)の議員がゼロという市議会も、11月26日現在で766ある。16年の選挙では26・5%にあたる1043市が黒人や褐色ゼロだったから、こちらも277市で状況が改善した。
パライバ州カンピーナ・グランデ市初の黒人女性の市議当選者となったジョ・オリヴェイラ氏(ブラジル共産党・PCdoB)は、補欠当選に終わった4年前の教訓を活かし、わずかな選挙資金ながら、社会的なつながりを駆使して選挙戦を戦った。
同市は特定の政治家一家が伝統的に政治を支配しており、今年も各々が20万レアル近い資金を集めてキャンペーンを行った。だが、彼女の選挙資金は女性と黒人の二つの理由による政党からの支援・割当金の1万3千レアルだけ。「お金も時間もなかったけど、友人達が動いて補ってくれた」との言葉には、黒人女性初の快挙を成し遂げた喜びと感謝が込められていた。(11月30日付エスタード紙より)