【既報関連】ブラジル南部のサンタカタリーナ州クリシウーマ市で11月30日深夜~12月1日未明に発生した銀行強盗事件から1週間を経た7日、軍警と市警、連邦警察が、被害額は約8千万レアルで100万レアル余りを回収し、容疑者12人を逮捕したと発表した。
ヘリコプターさえ撃ち落とせる重火器に加え、数十キロに及ぶ爆薬などを持った強盗団約40人が、深夜に閑静な地方都市の銀行を襲ったもので、同州史上最大規模の銀行強盗事件として騒がれた。
連警は現在、他の銀行を襲ったグループと強盗団のつながりや、盗んだ金を使ったマネーロンダリングの有無などを捜査している。地元メディアは、3日に同州グラマド市で逮捕された容疑者の1人はサンパウロ州を拠点とする大型犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)構成員のマルシオ・ジェラルド・アルヴェス・フェレイラ(通称ブッダ)で、PCCリーダーのマルコラの逃亡を助けようとしたメンバーの一人である事を突き止めている。
同州市警は、被害額は約8千万レアル(16億円相当)に上る事や被害額の一部はその日の内に回収された事などを報告した。警察は事件後、路上に散らばっていた約30万レアルと、路上に散乱した金を拾い集めていて逮捕された男性4人が所持していた約81万レアルも回収した。爆破で損傷したり散乱したりした紙幣が多く、被害額算定は困難だった。
また、2日にリオ・グランデ・ド・スル州サンレオポルドの国道で逮捕された男性2人からは8100レアル、サンタカタリーナ州パッソ・デ・トーレスで逮捕された男性3人からも4万9千レアルを回収した。
逮捕者中、女性は2日にサンパウロ市で別件逮捕された1人のみ。2日には前述の男性5人、3日にはサンタカタリーナ州トレース・カショエイラスで男性1人、同州グラマドで男性2人、サンパウロ州カンピーナス市で男性2人の計5人、4日にはサンタカタリーナ州ブルメナウで男性1人が各々、逮捕された。
犯人が乗り捨てた10台の車の内9台は防弾の高級車で、3台はサンパウロ州ナンバーだった。
2日にはクリシウマから9キロのイサラ市で車を塗装したと思われる倉庫が、3日には、リオ・グランデ・ド・スル州モリーニョス・ド・スル市の民家から、血の付いた衣類や小銃の弾、携帯電話、携帯電話用チップ、ペンキ、起爆装置、ボックス車が見つかった。
この事件では、凶弾を浴びた警官1人が重傷で、手術後も入院加療中だ。もう1人の警備員は軽傷で済んだ。
犯人側にも負傷者が出たが、その中の1人は、現場付近のアパートに住んでいる市警警部が事件に気付き、自宅の窓から狙撃した男と見られている。ネット上には、背後からの銃撃で男が倒れ、「仲間に撃たれた」と勘違いした犯人達が気色ばむ様子や、倒れた男が立ち上がり、足を引きずりながら逃げる様子の録画が流れているという。
軍警や市警、連警は、残りの容疑者の行方や逃走経路、他の類似事件との関係などの捜査も続けている。(2、3、4、7日付G1サイトより)