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《ブラジル》大統領が観光相を解任=セントロン人事の犠牲に

アルヴァロ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom)

 ボルソナロ大統領は9日、マルセロ・アルヴァロ・アントニオ観光相を更迭し、ジウソン・マシャド氏を後任に据えた。10日付現地紙が報じている。
 大統領は観光公社「エンブラトゥール」総裁から昇格して就任するマシャド氏に関し、「この道の専門家であり、ふさわしい職務」と褒め称えた。
 一方、アルヴァロ氏に関しては、「よくやってくれたが、問題があった」と語ったものの、具体的な解任の理由は述べなかった。

 アルヴァロ氏はボルソナロ政権発足当時から観光相をつとめていた。だが、就任早々、社会自由党(PSL)ミナス・ジェライス州支部が、2018年の統一選で幽霊候補を大量に出すことによって不正に政党資金を得ていた疑惑に、同州支部長として関与した疑いが持ち上がり、当時から解任を求める声が多かった。ボルソナロ氏も同党内で相次いだこの不正を嫌がり、同党を離党している。
 だが、今回の解任はそれに直接関係したものではない。来年はじめの下院議長選で大統領がアルトゥール・リラ氏(進歩党・PP)を推すにあたり、中道勢力セントロンの推薦する人材に大臣職を与えたいとする大統領の意向によるものだったという。
 大統領府が自身の解任に向けて動いていたことを察していたアルヴァロ氏は8日、閣僚ワッツアップ・グループ上で、ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領府秘書室長官を「大統領を初期から支える保守派の首を切ろうとする裏切り者」と罵倒。これが致命傷となって解任が早まったという。