15日に中銀通貨政策委員会(Copom)の議事録が発表され、景気回復は緩やかと見ている事や、経済基本金利(Selic)の引き上げ再開を検討している事が明らかになったと同日付現地サイトが報じた。
9日の会議では経済基本金利が年2%で据え置かれた。それと共に、新型コロナの感染再拡大に伴う社会隔離の厳格化により、複数の主要な経済分野で需要回復が中断される可能性があるとの見方が示された。だが、金銭的、財政的な刺激とワクチン検査で良好な結果が出れば、回復基調が強まる可能性がある事も書き加えられている。
中銀は、政府による所得移転政策が耐久消費財の購入や投資などを通じた景気回復を促した事を評価している。ただし、新型コロナの感染再拡大で先行きが不透明となっている事や、来年以降は公的支出の適正化が必要となる事とで、経済活動が現在のペースで回復するか否かの見通しはより困難になったという。
9月発表の中銀の予想では、今年の国内総生産(GDP)は5%のマイナス成長で、来年は3・9%の成長となっていたが、市場関係者達は今年のGDPは4・41%縮小、来年は3・5%成長と見ている。
中銀は12月は食料品価格値上がりのペースが鈍ると見ているが、最近の物価指数が予想以上に上昇していた事もあり、Selic引き上げについても話し合われた。
現時点では、来年8月には年2・25%、9月には2・5%、10月には2・75%、12月には3%にと、順次上げて行く可能性があるようだ。
中銀は、持続可能な経済成長のためには種々の改革や調整が必要とも説いている。