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《ブラジル》下院が予算基本法の基本文承認=上院も遠隔審議で午後承認

 連邦下院が16日午前中、21年度の連邦予算基本法(LDO)の基本文を444対10で承認した。上院での審議は同日午後行われ、問題なく承認されたと同日付現地サイトが報じた。
 LDOが議会に送られたのは8カ月前だが、新型コロナのパンデミック対策などの審議が優先された事や、上下両院議長の再選問題などで審議が遅れた。この間には、最低賃金の見直しなども行われている。
 来年度のLDOは、最低賃金を1088レアルに修正して審議された。また、原案では来年度の基礎的収支を2320億レアルの赤字と設定していたが、予防接種ワクチンを購入・製造するための投資を盛り込んだ事で、基礎的収支の赤字額は2471億レアルに設定し直されている。
 21年度のLDO審議は、議長問題もあり、基本となる本文は承認したものの、歳入や歳出の明細は年度が始まってから審議するという変則的な運びとなった。

 上院で審議されたのも基本となる本文のみで、予算そのものは、来年に入って正式承認されるまでの暫定的なものとなる。LDO全体が正式承認されるのは2月か3月となる見込みだ。
 16日付現地紙によると、21年のLDOは、省庁予算にも議会の意向を盛り込みやすくなっており、議会の権限がより強いものとなっているという。
 LDOの承認は、年金や公務員給与、社会保障費などの支払いに不可欠なため、年明けと同時に政府が予算を動かせなくなるという事態を回避するためにも、核となる部分だけは前年の内に承認される必要がある。
 なお、上院も同日午後に遠隔審議で基本文を承認したため、LDOは大統領の裁可を待つだけとなった。