英国や米国、カナダが予防接種ワクチンの緊急使用を始め、富裕国がワクチンを買い占めたという報道も出る中、保健省は中国シノバック社とサンパウロ市ブタンタン研究所が共同生産するコロナバックも計画に取り込んだ。また、初期段階ではオズワルド・クルス財団(Fiocruz)とブタンタン研究所が生産する国産ワクチンを主軸とする意向で、両研究所が提出する治験結果が承認されるのを待って、2月半ばを接種開始時期に設定した。
16日は、知事達との会合でパズエロ保健相がコロナバックを4500万回分購入すると発言した事や、1月21日までに接種開始の可能性を示唆した事なども報じられたが、保健相はその後、改めて接種開始の時期は2月半ばと発言した。
保健省がコロナバックを国の計画の対象に含めたのは、外国産ワクチンの多くは納品時期が遅くなるため、より多くのワクチンの確保と接種開始を早めるために不可欠だからだ。
保健省は同省が予防接種を統括し、全州に平等に施すとしたが、これは、サンパウロ州のドリア知事が公表した州独自の予防接種計画の予定を狂わせ、予防接種普及に同知事が貢献したとの名声を奪おうとする大統領の思惑故とも言われている。
保健相は16日にドリア氏にコロナバック購入の意向を伝える電話をかけたが、同相は10月19日に購入を約束、20日の会議で公言もしたのに、ボルソナロ大統領の意向で翌日に購入をキャンセルした事があったため、ドリア氏は「購入撤回はない」と明記した文書を18日までに送るように求めたという。
なお、保健相は17日にコロナバック900万回分、Fiocruz製1500万回分、ファイザー社製50万回分が1月中に調達可能と発表した。