11月3日に火災が起きて広域停電が生じ、安定した電力供給まで21日間を擁したアマパー州マカパー市の変電所に、エレトロノルテが貸し出した変圧器が到着した。
ロライマ州ボア・ヴィスタの変電所にあった予備の変圧器は、総重量が約200トン。2日に解体後、直ちに移送作業が始まったが、マカパー到着は20日となった。変圧器は同日中に試験運転に入っており、25日には本格稼働が可能となる見込みだ。
マカパーの変電所には変圧器が3基あったが、1基は昨年12月に故障して修理待ちとなり、2基だけが機能していた。
そんな中、稼働中の変圧器1基で火災が発生。火災の被害は既に故障していた変圧器を含む残り2基の変圧器にも及び、広域停電が発生。被害を余り受けなかった変圧器1基は修理後、11月7日から機能し始めたが、当面は輪番制での電力供給となった。
広域停電に見舞われた地域全体への電力供給が正常化したのは、同州南部ラランジャル・ド・ジャリから運んだ変圧器が届き、機能し始めた11月24日の事だった。
ラランジャル・ド・ジャリには、やはりエレトロノルテが運営しているパラー州ヴィラ・ド・コンデにある変圧器が移送される予定だ。
ロライマ州の変電所の変圧器を運ぶ案は、鉱山動力省が創設した危機対応室が決めたもの。国家電力庁も承認したが、民主運動ロライマ州支部は、一時的な貸し出しではあっても、ロライマ州で電力危機が起きるリスクを高めるとして、今月初めに連邦裁判所に異議を申し立てている。
マカパーの変電所を経由する形での送電事業の責任を持つマカパー送電ライン(LMTE)は、既に新しい変圧器2基を購入済みだが、注文した変圧器は現在製造中で納品は来年の下半期となる見込みだという。(21日付アジェンシア・ブラジルより)