地理統計院(IBGE)が23日、11月の失業者は1400万人超で、失業率は14・2%に達したと発表したと同日付現地サイトが報じた。経済省も同日、11月の正規雇用は41万4千人純増と発表したが、新型コロナのパンデミックの影響が色濃く残る中で、緊急支援金の支給打ち切りが近づいている。
仕事を探しているが見つからない失業者は、10月より2%(27万5千人)多い1403万8千人となった。この数は5月比で38・6%(391万人)多い。この結果、11月の失業率は、5月の10・7%や10月の14・1%を上回る14・2%となった。
失業者数は7月以降、新記録を更新している。これは、新型コロナのパンデミックで解雇された人が増えた事や外出規制の緩和で職を探し始めた人が増えた事が原因だ。
失業者の増加は北東部で顕著で、他の地域は同水準を維持。南部では減少も起き始めている。
今回発表されたのはコロナ禍の影響を調べるための全国家庭サンプル調査コロナ版(Pnad Corona―19)で、3カ月毎に発表される全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)とは調査基準が若干異なる。9月末時点のPnad Continuaの失業率は14・6%、失業者は1410万人で、コロナ版9月の失業者は1348万6千人だった。これらの数字は非正規雇用者も含む。
他方、経済省が同日発表したのは全就労・失業者台帳(Caged)に基づく数字で、11月は正規雇用者が41万4556人増えた。同月の採用者は153万2189人、解雇者は111万7633人だった。11月の正規雇用者の純増数は1992年の統計開始以来、最大だという。
正規雇用者は5カ月連続で増えているが、純増数は150万人弱で、3~6月の161万人強の純減分を取り戻せていない。1~11月に22万7025人の正規雇用者純増は、2016年同期の85万8333人の純減に次ぐ悪い数字だ。
ゲデス経済相は、11月の雇用はサービス業や商業でも増えており、経済活動が戻ってきていると判断。「予防接種の一斉実施で経済活動がより活性化する事を望む」と発言したが、一斉実施には時間がかかる。
経済省は緊急支援金の支給を予定通り、今年一杯で打ち切る意向だが、ダッタフォーリャが21日に発表した世論調査では、緊急支援金受給者の36%は同支援金だけが収入源だ。
このような事情や新型コロナの感染再拡大、物価高などもあり、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が22日に発表した12月の消費者信頼感指数は、前月比で3・2ポイント減の78・5ポイントだった。
同指数は0~200で表し、100超なら肯定的な評価とみなす。指数低下は将来の見通しが3・7ポイント減の85・6ポイントとなった事が大きい。現状評価は2・1ポイント減の69・7ポイントだった。