謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、日本、ブラジルを含む全世界が新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の困難に直面し、今なお大きな影響を受けております。まずは、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族にお悔やみを申し上げます。また、現在病床に伏せておられる方々にお見舞い申し上げます。
さて、私が昨年8月当地に着任してから、約5カ月が過ぎました。着任以来、日系社会の皆様方には温かくお迎えをして頂き心より感謝申し上げます。コロナ禍でまだ直接お会いする機会が得られていない方も多いですが、オンラインでは様々なイベントや会合に参加させていただきました。
特に、昨年9月に開催された第12回文協統合フォーラムでは、このコロナ禍の中で各地の文協がそれぞれの取り組みを共有し、意見交換する場として大変有意義なものであったと思います。また、11月に開催された県連主催の日本祭りは世界中から多くの参加者が得られたと伺っています。
更に12月にジャパン・ハウス サンパウロ(JHSP)が主催した「日伯の道」は日伯関係にゆかりのある場所をライブで繋いでオンライン配信するもので、日系社会、食、文化、スポーツ、オリンピック等様々なテーマに関して多くの日系人の方々が参加された大変興味深いイベントとなりました。
その他にも、様々な団体によって多くの取り組みが行われていますが、そこに共通するのはデジタル技術の得意な若者達の活躍です。若い世代のもたらす新たな視点やエネルギー、そしてベテランの方々の知恵や経験、それらが相互に作用することで、日系社会の活動の新たな地平が広がってきているように感じます。
昨年2月に開館以来の来場者数200万人を記録したJHSPも3月にはコロナ禍で閉館を余儀なくされましたが、4月に就任したクルッグ新館長の下、現在は、感染対策を徹底し施設を再オープンさせています。今後は、日系社会との協力はもちろんのこと、ビジネス連携、デジタル化推進を強化していくと伺っています。今後も日系社会とJHSPの連携が広がっていくことを期待しています。
また、本年は昨年延期となった東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。同大会を成功させることは、人類がパンデミックを乗り越えた証となると考えます。総領事館としても、この機会を利用して、スポーツ交流、訪日観光促進や日本食等日本文化のPRに取り組んで参ります。日系社会の皆様のご協力を賜れれば幸いです。
更に、昨年は、在日ブラジル人コミュニティが30周年という節目の年を迎えました。在日ブラジル人コミュニティは、ブラジルの日系社会とともに、日伯両国を繋ぐ大切な存在であり、日伯友好の架け橋です。その意味でも、在日ブラジル人コミュニティ、そして日本から帰伯された日系人とその子弟への支援や連携は極めて重要なテーマであり、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
コロナ禍については、まだしばらく油断できない日々が続きますが、皆様も引き続き感染にはどうかお気を付けください。在サンパウロ総領事館としても今後も皆様の健康と安全、そして日系社会の発展のためにできる限りの努力をして参ります。
最後になりますが、本年が皆様にとって良き1年となるよう祈念して、私の年初のご挨拶とさせていただきます。