ブラジル日本文化福祉協会(石川レナト会長)は旧年12月12日午前9時、「臨時評議員会」をオンライン開催した。当日の出席者は39人、委任状3通だった。2020年度事業報告と決算報告、2021年度事業計画と予算計画が発表され、その場で承認された。
頃末アンドレ評議員会長がパンデミックで延期された4月の分と今回12月の定期評議員会を合わせて、臨時評議員会として今回開催したとの主旨を説明。奥原ジョージ副会長はパンデミックの中でオンライン化された今年の事業報告を行った。4月当初こそ完全に停滞したが、すぐにオンライン化に取り組みZoomなどを使って計30回の会議、ほぼ毎週1回の50イベントを開催した。
パンデミック前は文協ユーチューブチャンネルの登録者は47人しかいなかったが、現在では5千人近くなり、100倍以上に増え、非日系人の視聴が顕著になっている。国際日系デーイベントでは4万3400回視聴、文化祭りでも約2万回視聴となっており、実際のイベントよりも影響力が増した。
地方日系団体が参加する会議やイベントも2回開催しており、オンラインを活用した遠隔地との関係強化が図られているという。移民史料館国際シンポジウムのような4カ国語の国際イベントも開催された。当日午後5時からも文協創立65周年式典をライブで、17日午後7時からは65年間の歴史を振り返る映像もオンライン配信された。
21年の展望に関して「文協理事会の創意ではなく私の個人的意見」としながらも、「脆弱で複雑な情勢が続く」との見通しを語り、世界がブロック経済化する中で別々のブロックの中心的な存在である日本とブラジルは、よりお互いのことを深く知らないと世界的な時流に取り残されるとの見方を示した。
「デジタル化の技術を学びつつけ、人種多様化や格差社会に対するセンスを常に磨き、10年分の変化を1年で迎えるような時代の流れに適応して動き続けることが大事」と提言した。
山村理事が会計報告。今年予算の収入は580万レアル、実績は280万と低迷した。経済が低迷したことからスポンサー収入、イベント収入が大きく減ったのが響いた。21年予算の収入は434万レアルを計上し、かなり戻すという勢いを見せた。
支出面では今年の予算では550万レ、実績は301万レに抑えた。だが収入が280万レに落ち込んだため、21万レの赤字を残した。ただし、前年度から30万レの繰越金があり、来年度は414万レを計上し、20万レを残す意欲的な予算を立てている。
さらに「2030年に向けた戦略」も発表され、経営安定性の獲得、若者層の運営参加拡大、社会福祉活動の拡大などが提唱され、その場で承認され、1時間半で閉幕した。