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《ブラジル》生活扶助=不法受給者が地方選で約10億レ献金か=立候補者や献金者を除外へ

地方選出馬者や献金者への生活扶助支給停止について報じる4日付コンターベイス・サイトの記事の一部

 連邦貯蓄銀行(CAIXA)が4日、2021年の生活扶助(ボルサ・ファミリア)の支払日を発表。同時に連邦政府は、昨年の統一地方選に出馬または選挙献金を行った人がいる家庭を生活扶助の対象から外すための基準を発表したと4、5日付現地サイトが報じた。
 生活扶助は03年に導入され、1人あたりの所得が89レアル以下の極貧世帯と、1人当たりの所得が89・01~178レアルで妊婦や0~17歳の子供がいる貧困世帯に支給される。
 現在の支給額は、89レアルの基本扶助と養育扶助(16~17歳の子供1人につき48レアル、妊婦ならびに16歳未満の子供1人につき41レアル)で、世帯毎の上限額は372レアルだ。
 受給希望者は連邦政府の社会プログラムへの統一登録システム(CadUnico)への登録と定期的な更新が必要だ。現在は1万4千世帯が扶助を受けている。
 今年の扶助支給は社会識別番号(NIS)の末尾1の家庭が18日、0の家庭が29日から始まる。NISの末尾0の家庭への最後の支給日は12月23日だ。19年は13カ月給も支払われたが、昨年は13カ月給の支給はなかった。
 連邦政府は昨年、新型コロナのパンデミックに伴う緊急支援金支給のための情報を利用して生活扶助の受給者枠を拡大し、新たな扶助システム(レンダ・ブラジル、レンダ・シダダン)を創設しようとした。だが支給額や資金源などが確定出来ず、従来通りの生活扶助継続となった。

 ただし、昨年の統一地方選に出馬、または選挙献金を行った人がいる家庭は受給資格を失うことになった。
 選挙高等裁判所は昨年9月22日に、生活扶助受給者からの選挙献金が少なくとも1600万レアルあったと発表。12月22日には、生活扶助や緊急支援金の受給者の中から少なくとも9万1500人が7750万レアルの選挙献金を行っていたと報告した。
 生活扶助受給者からの献金は1227人、53万7千レアルで、選挙団体の支援者登録者も1289人いたという。その他の違反も含めた不法献金額は約10億レアルに達した。本来は受給対象ではないのに不正に受け取り、それを献金した疑いが持たれている。
 連邦政府が4日に発表した基準では、地方選の当選者や、選挙裁判所に資産額が30万レアル以上と申告した候補者がいる家庭への扶助支給は1月から停止される。
 家族の誰かが1人あたり月額で最低賃金二つ以上を献金した家庭や、家族の誰かが選挙キャンペーンに参加して最賃二つ以上の月収を得た家庭への扶助は、2月から停止される。
 1人あたりの献金や報酬の月額が最賃の半分~二つの場合も、2月から扶助支給が一時的に停止される。このケースにあたる家庭は5月までに登録内容を更新し、合法性を証明しなくてはならない。合法性が証明できない場合は6月に登録が削除される。
 生活扶助の支給停止や登録削除の対象となった人物や家庭は、市役所を通して、現在も困窮状態にいる事を証明しなければならない。