ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は6日、「年内までに全てのサンパウロ州民がコロナワクチンの接種を受けることになる」との発言を行った。6日付現地サイトが報じている。
ドリア知事はこの日、記者会見を開き、自らが推奨し、サンパウロ市ブタンタン研究所が治験や生産への協力を行っている中国シノバック社のコロナワクチン「コロナバック」に関して、当初から宣言されているように「1月25日から接種を開始する」との改めて強調した。
コロナバックに関しては、昨年12月23日に治験の最終結果の報告が行われるはずだった。当日に急きょキャンセルされ、国家衛生監督庁(ANVISA)への登録申請もまだ行われていない。サンパウロ州政府はかねてから「世界保健機関(WHO)の基準を満たすものだ」と主張しており、6日には緊急使用許可の申請だけが行われた。
ブタンタン研究所は6日にANVISAとの会合も行っており、7日12時45分にブタンタン研究所で同ワクチンに関する記者会見を行うことがあわせて発表された。7日の会見は、治験結果の報告のためのものと見られている。
コロナバックの第一段階の接種スケジュールも発表され、1月25日から3月28日までに150万人と想定される医療従事者、750万人とされる60歳以上の人たち、キロンボ住民、先住民のあわせて900万人に対する接種を行うという。
サンパウロ州政府は、「サンパウロ州でこれまでに発生した新型コロナによる犠牲者の77%は、これらのグループの人たちだ」として優先者を選択した理由を説明した。
さらに、ワクチン接種に関しても、「州内で予防接種を行う場所は現時点で5200カ所あるが、これを1万カ所に増やしたい」とした。また、接種が可能な時間を月曜から金曜までを7時から22時、土、日を7時から17時と定めた。
会見では、州内全645市に対し、「州が定めた規制をしっかり守るように」との訴えも行われた。サンパウロ州政府はこの日の午前中、645人の市長とともに州の免疫プラン、保健プランについて会合を開いている。その際、ドリア州知事は、クリスマスと正月に行った規制に従わなかった20弱の市長に対し、「以後、そうしたことのないように」と警告を行っている。
州保健局によると、州内には既に、病床が一杯になり、新たな患者を受け入れられない病院が10カ所出ており、病床拡大を考えているという。